NBAポスターコラム6:ファーストブレイク復活の謎とその背景、現代NBAの本質とは…。

NBAポスターコラム

6-レブロン&AD

PGレブロンがリバウンドを獲り、CのADが走る時代

―ファーストブレイクの逆襲と、現代バスケの構造変化―

“タッチダウンパス”から始まるレイカーズの一撃

レイカーズの試合を観てると、もはやお馴染みの光景がある。ディフェンスリバウンドを奪ったレブロン・ジェームズが、背後を振り返ることもなく、前線に走ったアンソニー・デイビスへタッチダウンパスを放つ。ボールはADの頭上にピタリと収まり、そのままダンク。観客総立ち。

これが2020年代のNBAだ。20年前の平均得点が94点台だった時代じゃ、こんなシーンは稀だった。セットオフェンスの重視、ペイントエリアの密集、そしてトランジションの減少が“当たり前”だったあの頃と、今はまるで違う。

そして、その変化の中心にいるのが、ポイントガードのようにゲームを操る“6フィート8インチ(約203cm)の巨漢フォワード”、レブロン・ジェームズであり、本来ゴール下にどっしり構えるはずのビッグマン、アンソニー・デイビスが走って先頭に立つ時代なんだ。

ポイントガード・レブロンの誕生

レブロン・ジェームズのプレースタイルをひと言で説明するのは難しい。6フィート8インチの体格、あの強靭な肉体、そして非現実的な視野とパス能力。10代の頃から“マジック・ジョンソンとカール・マローンを融合させた男”なんて呼ばれてた。

本来、彼はスモールフォワードだ。しかし、年齢を重ねた今、そしてレイカーズというチーム構造の中で、レブロンは完全に“ポイントガード”として機能している。

ディフェンスリバウンドを奪って、そのままプッシュ。1歩目のスピードと身体の強さで、相手のトランジションディフェンスが整う前に攻めきる。さらに、味方の位置を瞬時に把握して、完璧なパスを通す。トランジションでもセットでも、“全体を動かす”のがレブロンなんだ。

センター・ADが先頭を走る理由

じゃあ、レイカーズで一番走るのは誰か?
答えはアンソニー・デイビス。6フィート10インチ(約208cm)のセンターが、トランジションの先頭を切っている。

ここが面白い。レブロンがリバウンドを獲って、ADが走る。通常なら逆だろう。センターがゴール下でリバウンドを奪って、ガードに預け、スモールフォワードやシューティングガードが走る。それが“常識”だった。

しかし、ADにはそれができるだけの身体能力とスキルがある。もともと彼は高校時代はガードだった選手。後に急激に身長が伸びてビッグマンになったが、ボールハンドリングも走力も、他のビッグマンとは一線を画す。だからこそ、ファーストブレイクのフィニッシャーとして機能できる。

20年前のNBAと、今のNBA

昔のNBAを知っている人ほど、今のこの展開には驚く。
2000年代初頭、ファーストブレイクはどんどん減少していた。ネット時代の到来とともに、チームは対戦相手のクセやパターンを徹底的に分析し、ディフェンス戦術が発展した。

加えて、スカウティングの精度が上がり、トランジションで一気に攻めるというリスクを嫌う傾向が強まった。オフェンスはゆっくりとボールを運び、ハーフコートでセットオフェンスを構築するのが主流。

その結果、平均得点は94点台にまで落ち込み、“走らないバスケ”が常識化していた。さらには、「5秒以内に得点できたらエキストラポイントを与えるべき」なんて提案が出るほど、スピード感のないゲームが増えていた時代だ。

ファーストブレイク復活のカギは“ポジションレス”

じゃあ、なぜ今、ファーストブレイクが戻ってきたのか?
それは“ポジションレスバスケ”の進化と関係している。

従来、PGはリード、SGはシュート、SFはバランサー、PFとCはリバウンドとインサイド、という固定観念があった。でも今は違う。PGのレブロンがリバウンドを獲って走り、CのADがフィニッシュする。

この逆転現象こそが、現代バスケの面白さ。
しかも、このスタイルはレイカーズだけじゃない。ヨキッチやエンビードがトランジションでボールを運ぶ、ヤニスがガードをぶっちぎって走る、そういう時代になった。

レブロン×AD=トランジション革命

レブロンとADのコンビが、なぜここまで破壊力を持つのか。それは、互いの役割が固定されていないからだ。

たとえば、ADがディフェンスリバウンドを奪って自分で持ち運ぶこともあるし、レブロンがゴール下でポストプレーを仕掛ける場面もある。だが、特に際立つのが、レブロンのタッチダウンパスからADの走り出しという“逆”の展開。これを多用できるチームはそうそうない。

ADはペリカンズ時代、確かに個人としては優秀だった。ブロック王、オールディフェンシブ、オールスター常連。でも、チームとしてはプレイオフ進出がやっと。レブロンという絶対的な司令塔を得たことで、ADの才能が“爆発的”に活きるようになった。

ADの未来と、ガラスのエース問題

とはいえ、ADには大きな課題がある。それが“健康”。
毎年のように怪我に悩まされ、出場試合数が安定しない。特に、レイカーズにおいて彼の不在はチーム力に直結する問題だ。

レブロンも年齢的に全盛期を越えている以上、今後はADが“チームの軸”になる必要がある。でも、そのためにはシーズンを通じて健康を維持できることが絶対条件。

一方で、もしADが健康なままシーズンを過ごせるなら、彼はリーグ最強のビッグマンとしてMVPレースにも絡んでくる力を持っている。レブロンの“後継者”としての資質も十分すぎるほどある。

新時代のバスケが提示する未来像

今、NBAは過渡期にある。
センターが走る。ガードがリバウンドを奪ってゲームを組み立てる。そんな構造の変化が進む中で、レブロン×ADのような“役割逆転”のペアが、新たな成功モデルになっている。

そして、失われたはずの“ファーストブレイク”が、再び重要な戦術として返り咲いている。
ただし、それを成立させるには条件がある。ポジションにとらわれないIQ、視野、走力、スキル、そして化学反応。それを持った選手が揃って、初めて成立するのが“現代型ファーストブレイク”なんだ。


まとめ:レブロンが掴んだ未来、ADが走る希望

PGのレブロンがリバウンドを奪い、センターのADが走る。
それは単なる奇抜なプレーじゃない。現代NBAが進化し続ける中で、“これからのバスケはこうなる”という明確なビジョンそのものだ。

このスタイルがどこまで続くか。
レブロンが引退する日が来ても、その思想は多くの若手に受け継がれていく。次の時代も、また“走るセンターと、司令塔フォワード”のバスケが標準になるかもしれない。

そして、それを最初に“成立”させたのが、レイカーズのこのコンビだったことは間違いない。

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