NBAポスターコラム5:「優勝以外は失敗」と言われた男たちの行方は、、、。

NBAポスターコラム

5-レナード&PG

「夏の勝者が春の勝者になるとは限らない」

カワイ&ポール・ジョージ、クリッパーズに託された“優勝以外は失敗”の物語


あの夏、ロサンゼルスが震えた

2019年7月6日、NBAファンの誰もがSNSを二度見した日。
「カワイ・レナード、ロサンゼルス・クリッパーズと契約」
「ポール・ジョージ、サンダーからクリッパーズにトレード」

これが同じ日に起きた衝撃――NBAの勢力図を一気に塗り替えたのがこの日だった。
カワイは前年の2019年ファイナルでラプターズを初優勝に導き、ファイナルMVPを獲得。文字通りリーグの頂点に立っていた男。その彼が、ロサンゼルスに戻ってきた。ただし選んだのはレイカーズじゃなかった。

そしてその背後では、フロント陣がオクラホマシティ・サンダーと水面下でトレード交渉。
手に入れたのは、リーグ屈指のスコアラーであり万能型フォワード、ポール・ジョージ。

この2人の獲得は、レブロン&AD体制のレイカーズに真っ向から対抗するメッセージ。
一気にクリッパーズが“ロサンゼルスの主役”へと躍り出た瞬間だった。


ドック・リバース体制、全ては“今”のために

当時のクリッパーズは、戦力的には派手じゃなかったが、気骨のあるチームだった。
2018-19シーズン、ケビン・デュラント率いるウォリアーズ相手にプレーオフで2勝をもぎ取ったのが記憶に新しい。パトリック・ベバリーやルー・ウィリアムズ、モントレズ・ハレルらが揃い、泥臭くも団結力のある集団だった。

そのチームに、スーパースターを2人加えた――。

だが同時に、これはリスクでもあった。
2人ともケガの履歴がある。カワイは“ロードマネジメント”を徹底する選手。ポール・ジョージもサンダー時代に肩を痛め、プレーオフでは調子を崩した経験がある。

それでもフロントは賭けに出た。
未来のドラフト指名権を大量に放出し、サンダーにポール・ジョージを引き渡してもらった。
なぜなら“今しかない”と確信していたから。


カワイ・レナード:静かなる破壊者

カワイは、表情をほとんど変えずに相手のエースを黙らせ、オフェンスでは効率よく得点を重ねる選手。
ディフェンスではDPOYを2回受賞、オフェンスでは試合終盤のクラッチタイムに頼れる存在。

ラプターズでのあのプレーオフ、彼が76ersのジョエル・エンビードの上から沈めたバウンス・バウンス・バウンス・インのブザービーターは、今も語り草になってる。

“自分のルールでしか動かない”選手だが、それが徹底されればチームの勝利に直結する。
だが、それが“チーム全体の化学反応”と必ずしもマッチするとは限らないのが難しいところだった。


ポール・ジョージ:万能のエリートスウィングマン

一方のポール・ジョージ。
彼はペイサーズ時代にレブロンと何度も東の王座をかけて戦い、サンダーでもラッセル・ウェストブルックと組んで勝利を追い続けてきた。

サイズ、シュート力、守備範囲、どれをとってもオールスター級。
ただ、“大舞台で結果を出せるか”が、ずっと付きまとってきた課題だった。

2020年のバブルでは、「Playoff P(プレイオフP)」と自ら呼んだことで皮肉られ、批判の対象に。
クリッパーズに来た年のプレーオフでは、ナゲッツとのシリーズで3勝1敗から逆転負けを喫し、責任の一端を担わされた。


崩れたピース:2020年のナゲッツ戦

カワイとジョージの初年度、つまり2019-20シーズン。
この年、全てが“うまくいっているように見えた”。プレーオフ前までは。

だがその後は悪夢だった。
西カンファレンス・セミファイナルで3勝1敗とリードしながら、デンバー・ナゲッツにまさかの逆転負け。
第7戦、カワイとジョージは揃って沈黙。終盤にはシュートがリングすらかすめず、“エースとしての責任”を問われた。

この敗戦でドック・リバースは解任。
チームは再編を余儀なくされ、選手同士のケミストリー、信頼関係まで疑問視されるようになった。


トラウマとリベンジ、そしてケガ

その後、2020-21シーズンはタイロン・ルーが新HCとしてチームを指揮。
プレーオフでは見事にウエスト決勝まで進み、フランチャイズ史上初の快挙を達成する。
ポール・ジョージは、カワイがケガで離脱した中でも奮闘し、自身への批判に答えた形となった。

だが、カワイはそのケガ(右膝の部分断裂)から長期離脱。2021-22シーズンは全休。
続く2022-23シーズンもカワイ&PGともに満身創痍。シーズン終盤にどちらかが離脱、というパターンが定番になってしまった。


優勝“できなかった”チームの行方

2023-24シーズン、ラッセル・ウェストブルックやジェームズ・ハーデンを加え、クリッパーズは再び大きな勝負に出た。
だが結果的にはまたしてもプレーオフの壁を越えることはできず、時間だけが過ぎていく。

当時の「夏の勝者」――それは間違いなくクリッパーズだった。
だが、その夏の勝利が翌春の栄光につながったか?と聞かれれば、答えは「NO」だ。


「優勝以外は失敗」という呪い

カワイもPGも、リーグで最も優れた2WAYプレイヤーの一人であることに疑いはない。
だがNBAの世界では、個人のスキルやスタッツではなく、“リングを持っているか”が全てを物語る。

このチームは、あまりにも勝ちすぎる未来を期待されすぎた。
「優勝以外は失敗」という圧の中で、彼らはプレーし続けた。
だが、それは同時に、“優勝できなかった瞬間にすべてが失敗になる”という過酷な定義でもある。


まとめ:その夏を、誰が責められる?

2019年の夏、カワイとPGがクリッパーズを選んだこと、それ自体は間違いじゃなかった。
当時のフロント、選手層、そしてリーグの状況を見れば、むしろ理にかなっていたと言える。

ただ、ケミストリー、ケガ、タイミング、運――NBAで勝つには、才能以外の要素があまりにも多い。
そしてそれらすべてが揃わない限り、“夏の勝者”が“春のチャンピオン”にはなれない。

この物語が最終的にどう終わるのかはまだわからない。
だが少なくとも、2019年のあの夏に、ロサンゼルスが震えたあの瞬間の熱は、決して無駄じゃなかったはずだ。

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