415-ダーク・ノビツキー
2006年NBAファイナルと同じ対戦カードとなったダラス・マーベリックスとマイアミ・ヒート。
5年ぶりに相対した初戦を制したのは、ホームコート・アドバンテージを持っていたヒートだ。
第1クォーターこそFG成功率28. 6%と覆いたものの、レブロンとウェイドが攻守にわたって奮闘。
マブズはノビツキーが終盤に指を負傷する不運にも見舞われ、黒星発進となった。
だが第2戦は、マブズが最大15点差をひっくり返し逆転勝利。
第3戦もマブズが後手の展開となるなかで終盤に意地を見せるも、最後にノビツキーがブザービーターを外し敗戦。
第4戦は同点15回、 リードチェンジ12回という大激戦。
この試合でレブロンはシュートスランプに苦しみ、わずか8得点にとどまる大ブレーキ。
そしてラストプレーではウェイドが痛恨のファンブルを犯し、シリーズは2勝2敗。
互いに2勝ずつ奪い合って迎えた第5戦は、シリーズで初めて両軍とも100点超えというオフェンシブなゲームとなる。
そんな試合をリードしたのがジェイソン・テリーだった。
攻守でミスが続いた際に一度ベンチへ下げられ、リック・ カーライルHCから「集中し直せ」との激を受けて、すぐにコートへ復帰。
その後はオフェンスの中心としてチームをリードすると、ノビツキーもテリーの爆発に呼応してゲームハイの25得点をあげ、勝利を掴み取った。
王手をかけて臨んだ第6戦、マブズはレブロンに爆発を許すもゾーンディフェンスで対抗。
終始ゲームを優位に進め、第4クォーター残り2分半にノビツキーがリードを10点に広げるジャンパーを沈めて勝負あり。
マブズが2006年のリベンジを果たし、球団創設33年目にして初優勝を成し遂げた。
ファイナルMVPはシリーズ平均26. 0点、9.7リバウンド、2.0アシ ストを記録したノビツキー。
シリーズ中は風邪に苦しみ、ベンチで咳き込む場面も見られたが、大黒柱としての責務を十二分に全うした。
後日行なわれた優勝パレードには、 約5万人のファンが集結。
ノビツキー は「山あり谷ありだったけど頂点まで上り詰めた。本当に最高の気分だ」と、喜びを爆発させた。
追伸、開幕前から注目と非難を浴びてきたヒートは、ファイナルで力尽きてしまったものの、相手選手には強烈な印象を残したようだ。
後年にノビツキーは「彼らの結成1年目に対戦したのはすごく幸運だった。2、3年目に顔を合わせていたら、レブロンがかなりアグ レッシブに攻めてきただろうし、おそらく手玉に取られていただろう」と回想する。
事実、ケミストリーを向上させたヒートは、翌シーズンから2連覇を果たすことになる。
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