14-ティム・ダンカン
歴代No.1パワーフォワード、ティム・ダンカンの凄すぎるキャリア
ダンカンが築いた「勝者の哲学」
ティム・ダンカン。
この名前を聞いて、”華やかさ”をイメージする人はあまりいないかもしれない。だけど、”勝者”、”信頼”、”堅実”。このワードにピタリとはまるのがダンカンだ。
19年間にわたるキャリア、そのすべてにおいてチームを勝たせ続けた男。彼がNBAに残した功績は、数字以上の価値を持っている。
レギュラーシーズン通算成績は1072勝438敗、勝率は驚異の71.0%。しかも、ルーキーイヤーから引退するまで、1シーズンたりとも勝率6割を切ったことがない。
NBA史上、長くやればどこかでチームは低迷するものだが、ダンカンだけは例外だった。彼がコートに立っている限り、スパーズは常に勝ち続けた。
さらに、1つのチームで1000勝を達成した史上初の選手でもある。とんでもない偉業だ。
ケガやトレード、チーム事情で選手のキャリアは揺れ動くのが普通。そんな中、スパーズ一筋、しかも勝ち続ける。ありえないレベルの安定感だった。
個人タイトルだけでは測れない凄み
正直、個人タイトル、個人記録の数だけを比較すれば、ダンカンよりもケビン・ガーネット(KG)やカール・マローンも遜色ない。
たとえばKGはMVP1回に加えて、オールディフェンシブチームやリバウンド王のタイトルを何度も獲得している。マローンもMVP2回、得点王争いの常連だった。
だが、ダンカンの凄さはそんな表面的な数字じゃ測れない。
彼が求めたのは「勝つこと」。それだけだった。
その証拠に、ダンカンは2度のシーズンMVP(2002年、2003年)を獲得しながらも、個人スタッツを無理に伸ばそうとはしなかった。
1試合40点を狙うようなプレーはほぼ皆無。得点、リバウンド、ブロック、すべてバランスよくこなし、何よりも勝利のためにプレーを選択してきた。
カール・マローンはキャリア通算36,928得点という歴代2位の得点記録を誇るが、結局一度もNBAチャンピオンにはなれなかった。
対してダンカンは、5度のNBA優勝。勝利至上主義の象徴だった。
3度のファイナルMVPと「ビッグファンダメンタル」
ティム・ダンカンの代名詞と言えば「ビッグファンダメンタル(基本に忠実な男)」。
ドリブル、ポストムーブ、ミドルシュート、リバウンド、ブロック…すべてのプレーが教科書そのものだった。
彼はフィジカルで圧倒するタイプじゃない。スピードも爆発力も特別ではなかった。
なのに、どんな相手にも支配力を発揮できた。それは、圧倒的な技術と判断力があったからだ。
その成果が表れたのが、3度のファイナルMVP受賞(1999年、2003年、2005年)。
特に1999年のファイナルでは、ニューヨーク・ニックス相手にシリーズ平均27.4得点、14.0リバウンド、2.2ブロックを叩き出し、完全に支配。
NBA史上でも屈指の「最初から完成されていた選手」と言っていい。
通算スタッツもモンスター級
ダンカンのキャリア通算スタッツをざっと見てみる。
- 通算得点:26,496点
- 通算リバウンド:15,091本
- 通算ブロック:3,020本
リバウンドもブロックも、パワーフォワードとしては異次元。
特に通算3000ブロックを超えているのは、NBA全体でも限られた選手しかいない。ディフェンスでもオフェンスでも、隙がなかった。
それに、ダンカンはオールディフェンシブチームに15回選出されている(1stチーム8回、2ndチーム7回)。
つまり、19年のキャリアのほとんどでリーグ最高レベルの守備力を維持していたことになる。
「退屈」と酷評されたスパーズバスケ
面白いのは、そんなダンカンが中心だったスパーズは、一時期「退屈」「つまらない」と散々叩かれていたことだ。
理由はシンプル。派手なアリウープもなければ、豪快なダンクショーもない。
ミスを極力減らして、ローポストからじわじわ点を取る地味なスタイルだったから。
1999年、2003年、2005年の優勝も、「スパーズ強いけど、見てて面白くない」という声が多かった。
この時代のNBAファンは、ショータイム的な華やかさを求める人が多かったから、スパーズの効率重視バスケはウケが必ずしも良いとはいえなかった。
ただ、そんな批判にも動じず、ダンカンとスパーズは我が道を貫いた。
勝つことこそがすべて。派手さなんて二の次。これが彼らの哲学だった。
2014年、「至高のマスターピース」へ
そんなスパーズに対する評価が一変したのが、2014年のNBAファイナルだった。
相手はマイアミ・ヒート。レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュを擁するスーパーチーム。
前年2013年には、スパーズはヒートに惜敗して涙を飲んでいた。あと数秒で優勝という場面からレイ・アレンの奇跡の3Pで逆転負け…。あれは本当にツラい敗北だった。
だが、ダンカン率いるスパーズは、翌年に完璧なリベンジを果たす。
2014年ファイナルでは、ヒートをシリーズ4勝1敗で粉砕。しかも、その内容が歴史に残るレベルで美しかった。
パスが回る。全員が動く。誰もボールを止めない。ミスもほとんどない。
ティム・ダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリ、カワイ・レナード、ベテランと若手が一体となったバスケットボールは、「チームバスケの完成形」と呼ばれた。
評論家たちもこぞって絶賛した。
「これぞ至高のマスターピース(最高傑作)だ」と。
地味と言われたスパーズが、ついに”美しいバスケットボール”の象徴になった瞬間だった。
まとめ:勝利を極めた静かなる巨人
ティム・ダンカンのキャリアを一言で表すなら、「静かなる勝者」だ。
目立たない。でも圧倒的に強い。
派手さはない。でも本物だけが持つ説得力がある。
個人スタッツやタイトルだけじゃない。
チームを勝たせること、自分を犠牲にしてでも正しいプレーを選び続けること。
それがダンカンの哲学だった。
NBAの歴史上、もっと派手な選手はたくさんいた。
でも、近代バスケでダンカンほど「勝つこと」に特化した選手はほとんどいない。
だからこそ、彼は「歴代No.1パワーフォワード」と呼ばれる。
そしてこれから先も、ダンカンのような選手は二度と現れないかもしれない。
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