176-コービー・ブライアント
【コービー・ブライアントという“アート”】
技術を超えて、所作そのものが美しかった男
コービー・ブライアントを語るとき、多くの人がまず「実力」「勝負強さ」「得点力」を思い浮かべる。
でも、彼の本質はそこだけじゃない。
コービーはバスケットボールという競技を“芸術”にまで昇華させた数少ない存在だった。
派手なダンク、鋭いフットワーク、憎たらしいまでのクラッチ力――もちろんそれも魅力だ。
だが、彼が唯一無二だった理由は、シュートの動作ひとつ、フリースロー前の仕草ひとつまで、すべてが完成された“美”をまとっていたからだ。
以下では、コービーがなぜ“アート”と呼ばれるのか、その理由を深掘りしていく。
◆ コービーの“美しさ”は、プレーそのものだけではない
コービーは派手なプレーの象徴だった。
若い頃のリムへの突進、360°ターン、リバースダンク。
だが、彼の美しさが際立つのは、身体能力の絶頂期だけではない。
むしろキャリア後半、ジャンプショット中心にシフトした頃にこそ、動作が研ぎ澄まされ、芸術性が最大化されている。
● すべての動きに「理由」がある
コービーのムーヴは偶然生まれたものではない。
すべてが緻密で、すべてが必然。
ステップ、肩の入り方、目線、ボールの角度――そのひとつひとつに意図があり、無駄がない。
それが結果として“美しさ”を生んでいる。
◆ フリースロー前に宿る「静」のアート
試合の中の“緊張の瞬間”といえばフリースローだ。
ここでのコービーの所作は、完全に儀式と言っていい。
● フリースローのルーティンの美しさ
・胸元でボールを軽く回す
・深い呼吸
・短い視線の移動
・膝、肘、手首が一直線に整うフォーム
これを毎回まったく同じテンポで繰り返していた。
静寂の中に美が宿る瞬間。
彼は感情を爆発させるタイプに見えるが、フリースローでは不思議なほど落ち着いていて、
“嵐の中心だけが静かである”という現象そのものだった。
◆ ジャンプショットは「反復」から生まれた作品
コービーのジャンプショットは、数万回、いや数十万回の反復から完成された。
● 上昇、頂点、リリース、そして着地まで美しい
コービーのシュートは、
どこを切り取っても1枚の写真になる。
・上昇時のまっすぐな背筋
・頂点での一瞬の静止
・指先まで神経が通ったリリース
・空中から地面に降りる滑らかな着地
・そのまま後ろを向いて走り去る流れるようなモーション
特に「着地後のポージング」は、彼にしかできない“余白の美”。
シュートが入るかどうかに関わらず、彼の身体のラインが絵画のように整っている。
◆ コービーの“ムーヴ”がアートと呼ばれる理由
● ① 動作そのものが極限まで磨かれている
ただ早い、ただ鋭い、ではない。
動きの中にある“線”が美しい。
カットインの角度、ターンの回転軸、ボールの引きつけ方。
バスケットボールを知らない人が見ても
「なんかキレイだな」
と感じてしまう。
● ② 反復の数が常軌を逸している
コービーのワークアウトは有名だが、
彼は**「完璧な動きができるまで帰らない」**タイプだった。
ひとつのムーヴを延々と続け、完成するまで磨き続ける。
その積み重ねが、動作に“統一感”を生み、芸術的な滑らかさを作り出していた。
● ③ 感情と動作がリンクしている
コービーのプレーには“物語”がある。
怒り、集中、覚悟――
そのすべてが動作に反映される。
たとえば試合終盤、ディフェンダーをじっと見つめるあの目。
そこからのワンドリ→ストップ→フェイダウェイ。
すべてが感情の流れを映し出していて、
まるで一本の短編映画のようだ。
◆ キャリア終盤、芸術性はむしろ進化していた
年齢を重ねても、コービーの美しさは失われなかった。
むしろ、動作のひとつひとつがさらに洗練され、重さと深みを増した。
● ウィザーズ時代のジョーダンのような“熟練の美”
身体能力が落ちても、ステップバックやフェイダウェイは形が崩れない。
むしろ年齢を重ねたことで、
**無駄な動きが削り取られて“線が細くなる芸術”**のような境地に達していた。
◆ コービーは「勝負強さ」すら美しかった
クラッチショットを決める瞬間の表情や動作にも独特の美がある。
・コーナーでボールを受けたときの構え
・ダブルチームの間をすり抜けるステップ
・追い込まれても崩れないフォーム
ただ決めるだけじゃない。
“決まるべくして決まった”と思わせるような流れを作る。
これが、他のスターが持っていないコービーの美しさだ。
◆ 最後の「60点」という集大成
引退試合で60点を取るなんて、普通はできない。
だがコービーにとっては自然だった。
なぜならあの試合は、
20年間磨き続けた“コービーのアート集”の総まとめだったからだ。
ミドル、ステップ、フェイダウェイ、フリースロー、そしてクラッチ。
すべての動作が20年分の積み重ねを物語っていた。
◆ まとめ:コービーは“プレーヤー”を超えた存在だった
コービーをただのスコアラーと見るのは浅い。
彼は技術だけでなく、
動作、所作、感情、ルーティン――
すべてを芸術の域にまで磨き上げた希有な存在だった。
だからこそ、彼のプレーは今見ても色褪せない。
世代を超えて「美しい」と感じられる。
コービー・ブライアントは、バスケットボールのアーティストだった。
・NBAポスター絵画展がコチラ↓
・手持ちのお金を守りながら着実に増やす投資術がコチラ↓
資産1000万円達成の8つのコツがコチラ↓
初心者向け!資産1000万円達成術8ステップ簡単解説
資産1000万円達成シンプル投資術がコチラ↓
資産1000万円を達成した私のシンプル投資法
資産1000万円達成のおススメ書籍がコチラ↓
資産1000万達成の為に読むべき本

