NBAポスターコラム13:スリー全盛のNBAでも、八村のミドルは有効なオフェンス・オプションの理由、、、。

NBAポスターコラム

13-Rui・Hachimura

八村塁のミドルシュート——NBAで通用する“静と動”の美学

渡米からNBA入りまでの軌跡

2016年、八村塁は高校卒業と同時にアメリカへ渡った。日本人としては異例のチャレンジだったが、彼にはその道を選ぶだけの理由と自信があった。舞台はゴンザガ大学。名門中の名門で、毎年NCAAトーナメントに出場する強豪校だ。そこで八村は着実に力をつけ、3年連続でチームを全米トーナメントに導く存在となった。

大学時代からすでに、彼の武器となっていたのが“ミドルレンジ”だ。スリーポイント全盛の現代バスケにおいても、“不必要”とはいえないミドル。そのスキルが八村の個性を際立たせ、ドラフト1巡目指名へとつながっていく。

八村のミドルシュートはなぜ決まるのか

一言で言えば「正確で読みが鋭い」。

まず、彼のミドルシュートはとにかく精度が高い。NBA入りしてからも、特にロング2(スリーポイントライン手前)の成功率はリーグ平均を上回っており、対戦相手のスカウティングリポートでも「ミドルを簡単に打たせるな」と記されるほどだ。

彼のジャンプシュートには無駄がない。ステップにブレがなく、空中でのバランスも崩れない。セットアップから放たれるシュートはコンパクトで滑らか。まさに“機械的な美しさ”がある。ディフェンダーが飛び込んでも、彼は焦らない。わずかにステップをずらし、タイミングを外して沈める。それができる判断力と冷静さが、八村の大きな武器になっている。

“静”から“動”へ──ドリブルワークと組み合わせた破壊力

もう一つ忘れてはいけないのが、ミドルシュートに至るまでのプロセス。八村は静から動へ、一気にギアを上げるタイプの選手だ。ドリブルからのミッドレンジジャンパーは彼の十八番であり、ドライブでディフェンダーを振り切ってストップして打つという形が多い。

特に効果的なのが、左右へのドリブルから一気に止まって放つ“プルアップジャンパー”。このスキルは、ディフェンダーにとって非常に厄介だ。八村のサイズ(6フィート8インチ=約203cm)とウイングスパン(7フィート2インチ=約218cm)を考えれば、しっかりと前に立っていても簡単にはブロックできない。そこにプルアップという“速攻の止め技”が合わされば、守るのは困難極まりない。

ポストアップからのフェイダウェイも有効打

もう一つ、彼の得点パターンとして注目すべきなのがポストアップ。これは単なるフィジカル勝負じゃない。八村は、相手に身体をぶつけながらスペースを作り出す“技術系ポストプレーヤー”だ。特に、左45度や右ショートコーナーといったミドルエリアからのフェイダウェイジャンパーは、決定率が非常に高い。

彼の強みはここでも判断力にある。ポストアップして相手を背負ったとき、無理に打とうとはしない。相手の重心を見て、抜けるならターンしてドライブ、ブロックに来そうなら一拍置いてからフェイダウェイ。テンポが絶妙で、いかにも“経験値の高い選手”という感じの動きだ。NBAでも個人のスキルとしてこのフェイダウェイは一番通用している部分ではないだろうか。

ディフェンスのスキを突く知的プレーヤー

八村のミドルシュートを語る上で欠かせないのが「状況判断力」。単に“打てるタイミングで打つ”のではなく、“打っても良いと見せかけて打つ”という頭脳プレーをする。たとえば、ディフェンスがピックに引っかかっている間にクイックで打つのか、それとも相手のリカバーを待ってからフェイクを入れて打つのか、瞬時に判断できる。

この“知的さ”は彼が長くアメリカでプレーしてきたからこそ身についたもので、日本にいた頃のプレースタイルとは明らかに違う。本人もインタビューで「NBAに来てからは、状況を見るようになった」と語っており、その言葉通り、ミドルエリアでの読み合いに強いプレーヤーへと進化している。

現代バスケで“ミドル”は通用するのか

よく言われるのが、「今のNBAではミドルレンジは非効率」。スリーポイントとペイントアタックが基本であり、ミドルは「打たされるショット」とされることが多い。八村もレイカーズにおいて3&Dの役割の中でスリーポイントを多投している。

だが八村のミドルは“打たされている”のではなく、“選んで打っている”。つまり、本人が意図的にそのレンジを狙っている。だからこそ、成功率が高いし、チームにとっても価値のある得点になる。通用する武器である以上、有効的に使えるかがカギになる。

ミドルシュートは八村の代名詞になるか

結論を言えば、すでになっている。

スーパースターというよりは“勝利を支える名脇役”。そんなポジションで彼のミドルは機能しているし、もっと使われていい。特にプレーオフのような緊迫した場面では、ペースを落として確実に点を取れる選手の存在が重要になる。

今後さらにオフェンスを担う優先度が上がっていけば、八村のミドルは“武器”から“必殺技”へと進化するだろう。そうなれば、NBAでの評価も今以上に高まっていくはずだ。

・NBAポスター絵画展がコチラ↓



・その他の投稿がコチラ↓

休職した39歳社畜だった私、出勤が月の半分15日なのに、手取り20万を軽く超える転職先を教えます。|ポスタBlog
ラクな仕事とは?本当に存在するのか 「ラクな仕事に就きたい」——これは多くの人が一度は考えることだろう。でも、そもそもラクな仕事とは何なのか?単に体力的にラクな仕事を指すのか、それとも精神的な負担が少ない仕事を指すのか。 この記事では、ラク...

・手持ちのお金を守りながら着実に増やす投資術がコチラ↓

資産1000万円達成の8つのコツがコチラ↓
初心者向け!資産1000万円達成術8ステップ簡単解説

資産1000万円達成シンプル投資術がコチラ↓
資産1000万円を達成した私のシンプル投資法

資産1000万円達成のおススメ書籍がコチラ↓
資産1000万達成の為に読むべき本

コメント