8-八村塁
日本バスケの希望、NBAに立つ──八村塁が切り拓いた道
日本人がNBAのコートに立つという現実
「NBAに日本人?」
そう思っていたのは、もう昔の話だ。現実にはっきりと存在している。それが八村塁という男。彼は富山で生まれ、高校を宮城で過ごし、アメリカに渡ってゴンザガ大でプレーした。そして、2019年のNBAドラフト1巡目9位。ワシントン・ウィザーズに指名されたことで、日本人として初めて“NBAのロッタリーピック”に名を連ねた。
その瞬間、日本のバスケ界に歴史的な風が吹いた。ただの話題性ではない。本物の実力で、NBAの世界に飛び込んだ。もはや「挑戦」なんて言葉は不要。彼は「競争」のど真ん中にいる選手だ。
身体能力とスキルの融合──サイズだけじゃない強さ
身長203cm、体重104kg。数字だけ見るとNBAの中では「そこそこ大柄なフォワード」という印象だが、八村の魅力はそれだけじゃない。
何よりも、パワーとスピードのバランスが異常。大柄な割に足が軽い。相手ディフェンダーが気を抜くと、ミドルから一歩でゴール下に入り込む。そしておもむろに左手でダンクを叩き込む──これが、八村のリムアタックだ。
とにかくこのリムアタックがエグい。ドライブで一気に間合いを詰めて、身体を預けながらリングに向かう。そのフィニッシュは片手ダンク。しかも左手。NBAでも利き手と逆の手でこれをやれる選手は限られている。
ルーキーイヤーでNBAオールルーキーチーム入り
NBA入り直後からスタメン出場を勝ち取り、ウィザーズの中核を担った八村。その働きが評価され、NBAオールルーキーチーム2ndチームに選出された。
これはスゴい快挙。ドラフト上位であっても、実際のルーキーイヤーで活躍できない選手は山ほどいる。アメリカの大学バスケからNBAへ──ルールもテンポもフィジカルも違う。だから多くの選手が“適応”に苦しむ。
そんな中で、八村は1年目から平均30分以上出場し、安定してスコアリングできた。これはもう「適応」ではなく「即戦力」だったということ。ゴンザガで積み上げた3年間の経験と、真面目なワークエシックが、結果に結びついた。
スタッツに現れる“安定感”という才能
八村のスタッツを見て驚くのは、その“安定感”だ。ルーキーイヤー(2019-20)から平均13.5得点、6.1リバウンド。怪我で数試合欠場はあったものの、出場すればほぼ毎試合、安定して二桁得点を記録している。
2年目以降も大きなスランプがない。波の少ないプレーヤーというのは、実はチームにとってめちゃくちゃありがたい存在。エースやシックスマンの波を補ってくれる“屋台骨”だからこそ、チームから信頼される。
すごいのは、NBAという超激戦のリーグで、20代前半の若者が毎試合安定して結果を出してるってことだ。決して簡単なことじゃない。日々の練習と、メンタルの強さがなければできない芸当だ。
プレースタイルの進化──“得点屋”から“チームプレーヤー”へ
八村がNBAに入ってから数年。注目すべきなのは、単なる“得点力”だけじゃなく、“チームにどう貢献するか”という視点でのプレーが増えていること。
たとえば、速攻の中で味方にボールを預けて走り抜けるシーン。あるいはミスマッチを作って自分が引きつけたあと、キックアウトでスリーを演出する場面。その逆もしかり。
こういった“ボールを動かす”意識は、チームバスケットに欠かせない要素。そしてそれを自然とこなしているのが八村の成長を物語っている。
レイカーズにトレードされたあとのプレーを見ると、この“チームファースト”の意識がさらに強まっている。レブロンやAD(アンソニー・デイビス)という明確なエースのもと、自分がどう動くか、どう得点に絡むか──そこを考えてプレーしているのがよくわかる。
ファンを惹きつける“人間性”という武器
八村の魅力はプレーだけじゃない。人柄の良さ、真摯な姿勢、そしてバスケに対する熱量──こういう部分も、しっかりとファンの心を掴んでいる。
インタビューでは常に穏やかで、謙虚な姿勢を崩さない。日本語でも英語でも、きちんと相手の話を聞いてから答えるタイプ。そして何より、自分のルーツや家族、仲間への感謝を忘れない。
派手さはないかもしれない。でも、こういう“土台がしっかりした選手”が、長くNBAで活躍できる。まさに八村は、“信頼される男”という言葉がぴったりだ。
まだまだ伸びしろ──“驚異的な安定感”の先へ
今の八村でも十分にすごい。でも本当に怖いのは、彼がまだ「完成形」ではないということ。現時点で既に、NBAで平均2桁得点、FG50%近い精度、ディフェンスでも力を発揮している。
それが今後、シュートレンジがさらに広がり、ディフェンスの読みが深まってくれば──スタッツは確実に上がってくる。
もし今の“安定感”を保ったまま、平均得点が17点、18点と伸びてきたら?
そのとき、八村は“ロールプレーヤー”ではなく、“主力”と呼ばれる存在になる。いや、もう既にそう呼んでいいのかもしれないが、さらなるステップアップは間違いなく見えている。
「日本人には…」という感覚をぶっ壊した男
日本のバスケットボールファンにとって、八村塁の登場は革命だった。
「まさか日本からNBA選手が出るとは」
「いや、こんなにやれるとは」
「え、レイカーズでプレーしてるってマジか」
こういう感情を、次々と更新してくれる選手。それが八村塁。
彼の存在は、未来の日本人選手たちへのメッセージでもある。「君たちにもできるよ」と背中で語ってくれている。
渡邊雄太、馬場雄大、河村勇輝、富永啓生──続く存在が現れているのも、間違いなく八村の影響だ。彼が道を切り拓いたことで、日本バスケの地図が、確実に塗り替わっている。
締めくくりに
八村塁は、ただNBAでプレーしている選手じゃない。日本バスケットボールの歴史を変え、未来を照らす存在だ。そしてまだまだ進化の途中。その先にどんな景色が待っているのか、バスケファンならずともワクワクせざるを得ない。
彼の1試合1試合が、日本バスケットにとってレガシーなのだ。
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