800-八村塁
八村塁、覚醒の2022-23シーズン──再建レイカーズのキーマンへ
開幕12試合で2勝10敗、レイカーズは地獄の底にいた
2022-23シーズンのロサンゼルス・レイカーズは、最初から絶望の空気に包まれていた。開幕12試合で2勝10敗。レブロン・ジェームズが健在で、アンソニー・デイビスもプレーしていたにもかかわらず、勝てない。試合内容も酷かった。3ポイントの精度はリーグワースト、チームのスペーシングは最悪、守備も連携が取れておらず、もはや勝てる要素がなかった。
ラッセル・ウエストブルックの起用法も迷走していた。スターターとしての彼には限界があり、かといってベンチから出てもフィットしない。ローテーションも固定されず、誰がどうやって勝利をもぎ取るのか、誰一人としてわからなかった。
正直、このままならプレーオフどころかプレーインも厳しい。そう思っていたファンも多かったはず。
1月下旬、八村塁の電撃トレード
転機は突然訪れた。1月23日、ワシントン・ウィザーズとのトレードで、レイカーズが八村塁を獲得する。このトレードでウィザーズにはケンドリック・ナンとドラフト2巡目指名権が渡った。世間的にはそこまで大きなニュースではなかったが、内部的にはこの動きが後の再構築の布石となる。
八村は即戦力として期待され、合流してすぐローテーション入り。サイズとフィジカルを兼ね備えたスコアラーとして、レブロンやADの負担を軽減する役割が求められた。
そして何より、ディフェンス面での貢献が予想以上に大きかった。
2月9日、大型トレードでロスター刷新
さらにレイカーズは大勝負に出る。2月9日、トレード・デッドライン直前に3チーム間トレードを成立させ、ウエストブルックを放出。代わりに、かつて在籍していたディアンジェロ・ラッセルを再獲得し、さらにジャレッド・バンダービルド、マリーク・ビーズリー、モー・バンバらを加えてロスターを大きく入れ替えた。
この動きが大当たりする。
ラッセルはゲームメイクとアウトサイドシュートを兼ね備えたガードとして、レブロンとの相性も良好。バンダービルドは守備職人で、1on1もスイッチもこなせる万能タイプ。八村、バンダービルド、ADが並ぶと、サイズと機動力のある鉄壁ラインが完成した。
レイカーズの守備は、ここから劇的に改善していく。
守備のテコ入れで、勝ち星が転がり込んできた
スタッツで見ると、補強前と後でオフェンス・レーティング(ORtg)は大きく変わらない。だがディフェンス・レーティング(DRtg)は段違いだった。シーズン前半は114.2とリーグ中位レベルだったが、補強後は110.0を切るレベルまで改善。これはリーグでもトップクラスの守備力だ。
2月11日以降、レイカーズは勝率を大きく伸ばし、3月末にはようやく貯金生活に突入。最終盤は6勝1敗と一気に加速し、ウエスト7位でレギュラーシーズンを終えた。
しかもこの時点で、レブロンは右足の怪我で長期離脱していた。それでも勝てた。AD、ラッセル、八村、リーブス、バンダービルドの「新生レイカーズ」が形になった証拠だ。
プレイイン突破から、怒涛のウエスト決勝進出
プレイイン・トーナメントではミネソタ・ティンバーウルブズと対戦し、激戦を制して第7シードを確保。その勢いのまま、プレーオフ1回戦で2位メンフィス・グリズリーズを撃破。続くカンファレンス準決勝では王者ウォリアーズを破り、ウエスト決勝に駒を進めた。
この快進撃のなかで、八村塁はチームに欠かせないピースとなっていく。
プレーオフで彼は平均12.2得点、FG成功率55.7%、3P成功率48.7%と驚異的な数字を叩き出した。第1ラウンドのグリズリーズ戦では、シリーズ第1戦で29得点を記録。ここから「ビッグゲーム・ルイ」としての評価を高めていく。
カンファレンス決勝、ヨキッチとの激突
ウエスト決勝の相手はデンバー・ナゲッツ。相手はリーグMVPニコラ・ヨキッチを擁する最強軍団。ADがマッチアップするも、ヨキッチのスキルに苦しめられる場面が続いた。
その中で、レイカーズは大胆にも八村塁をヨキッチに当てるディフェンス策を実行する。スイッチではなく、最初から1on1で対応させるスタイル。これが意外とハマった。フィジカルで対抗しつつ、足も動く八村がヨキッチを簡単には自由を与えなかった。
だが、シリーズは4戦全敗。ナゲッツの完成度が上だった。ただし、戦術的にも精神的にも収穫は大きかった。レイカーズは“どこを目指すべきか”をこのシリーズで明確に掴んだし、八村塁も「このチームで未来を築ける」と証明した。
3年5100万ドルの契約、レイカーズの評価が変わった証
このプレーオフの活躍を受けて、レイカーズはオフシーズンに八村と3年5100万ドルの延長契約を締結。これは明確な評価。単なるベンチプレイヤーではなく、中心選手として計算されている証だ。
ウィザーズで“エース候補”から脱却できなかった八村だが、レイカーズというビッグマーケットの中でその役割をつかみ取った。レブロンのキャリア終盤、ADの負担軽減、若手の育成。八村はその中で“勝てるチームの中核”という立場にまで成長した。
再建と躍進、八村塁はその象徴になった
2022-23シーズンのレイカーズは、数字だけ見ればウエスト決勝進出という成功だった。でもそれ以上に、「崩壊しかけたチームを立て直し、再び勝てるチームになった」という意味が大きい。
その過程で、八村塁という存在は欠かせなかった。移籍してすぐに信頼を勝ち取り、守備で体を張り、プレーオフで爆発し、最後にはヨキッチ相手に堂々と立ち向かった。キャリアの分岐点として、この1年はあまりにも大きい。
「NBAで成功する日本人」が、ようやくリアルな形になった。今後、彼がレイカーズの中心としてどこまで上り詰めるのか。それを見守る価値は、確実にある。
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