NBAポスターコラム779:アレン・アイバーソンという“システム”の限界と、“ピース”への拒否が示した結果とは…。

NBAポスターコラム
779-アレン・アイバーソン

779-アレン・アイバーソン

アイバーソンが優勝できなかった本当の理由とは、、、

1位指名からスーパースターへ

1996年のNBAドラフトで、フィラデルフィア・76ersは全体1位でジョージタウン大のアレン・アイバーソンを指名した。身長183cmとNBAでは小柄なガードながら、驚異的なクイックネスと得点能力を武器に、ルーキーイヤーからファンを魅了し、新人王を獲得。その後もアイバーソンは得点王、スティール王、そしてリーグMVPなど数々のタイトルを獲得し、リーグの顔とも言える存在へと成長していった。

2000-01シーズン、伝説のファイナル進出

アイバーソンのキャリアで最も輝いたシーズンは、間違いなく2000-01シーズンだ。この年、彼はリーグMVPを獲得し、76ersをファイナルへと導いた。シーズン平均31.1得点を記録し、エースとしてチームをけん引。プレーオフでも圧倒的なパフォーマンスを見せ、カンファレンス・ファイナルではラプターズのヴィンス・カーターとの壮絶なスコアリングバトルを繰り広げ、バックスとのシリーズも制してNBAファイナルへと駒を進めた。

迎えたファイナルの相手は、シャキール・オニールとコービー・ブライアントを擁するロサンゼルス・レイカーズ。絶対的な戦力差がある中で、アイバーソンは第1戦で48得点を記録し、敵地での勝利に貢献。しかし、その後はレイカーズの圧倒的な力に屈し、シリーズは1勝4敗で終了。アイバーソンの孤軍奮闘は称賛されたものの、チームとしての力の差は明白だった。

アイバーソンの相棒探し

ファイナル進出を果たしたものの、アイバーソン1人の力では限界があった。76ersは、彼の負担を軽減しつつ、優勝を目指すために「No.2」の存在を求めるようになる。

しかし、この試みはことごとく失敗する。ラリー・ヒューズ、キース・バンホーン、グレン・ロビンソン、クリス・ウェバーといった実績ある選手たちがアイバーソンの相棒として迎え入れられたが、誰も長く活躍することはできなかった。

なぜ彼らが成功しなかったのか。それは、アイバーソンが「76ersのシステムそのもの」だったからだ。

アイバーソンはシステムのピースではない

アイバーソンのプレースタイルは、ボールを支配し、自ら得点を量産することが前提となっていた。彼がファーストオプションであることがチームの戦術そのものであり、他のスター選手がボールをシェアする余地は少なかった。事実、2001年のファイナルに進出したときの76ersは、エリック・スノウやアーロン・マッキーといったロールプレーヤーたちが周囲を固め、ディフェンスとリバウンドを徹底するスタイルだった。

一方で、アイバーソンの「相棒」として迎えられたスター選手たちは、彼と共存することが難しかった。ウェバーのようなビッグマンはポストプレーを主軸にしたがり、グレン・ロビンソンはシュートを打つ機会を必要とする。しかし、アイバーソンがいる限り、チームのオフェンスは彼を中心に回るため、彼らの得意とするプレースタイルは機能しなかった。

コート外での問題と絶大な人気

アイバーソンはコート上では誰よりもタフで、チームを勝利へ導く闘志を見せた。しかし、オフコートでは常にトラブルがつきまとった。

2001年、リーグMVPを獲得したその年に、妻への暴行容疑で逮捕された。さらに、彼の親しい友人がギャング関連の事件で殺害されるなど、ネガティブな話題が尽きなかった。試合開始30分前にアリーナに到着するような信じがたい行動も見られ、練習嫌いな姿勢が問題視されることも多かった。

しかし、それでも彼の人気は絶大だった。彼のストリートスタイル、タトゥー、コーンロウ、バギーな服装は、NBAのカルチャーそのものを変えた。彼は「アンダードッグの象徴」として、特に若い世代のファンから圧倒的な支持を受けた。

もしアイバーソンが「ピース」になれていたら?

アイバーソンが76ersで優勝できなかった最大の理由は、彼が「システム」であり続けたことだ。優勝するためには、彼自身がチームの一部(ピース)となり、他のスター選手と共存する必要があった。しかし、それはもはや「アレン・アイバーソン」ではない。

もし彼がセルティックスのレイ・アレンのように、自らの役割を変え、システムに適応することができていたら、リングを手にすることはできただろう。しかし、アイバーソンはアイバーソンであり続けた。それこそが彼の魅力であり、同時に限界でもあった。

まとめ

アイバーソンは歴史に名を残すスーパースターだった。彼の個人能力は申し分なく、得点王、MVP、ファイナル進出と輝かしい実績を誇る。しかし、そのプレースタイルゆえに、優勝には手が届かなかった。

彼は「チームのピース」ではなく「システム」そのものであり、それが76ersの成功と限界を決定づけた。もし違う道を選んでいたら——そんな「もしも」を語るのは簡単だが、結局のところ、彼がアイバーソンであり続けたことこそが、彼の伝説を生んだ最大の要因だった。

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