747-マイケル・ジョーダン
伝説の再来：ジョーダンの”I’m Back.”が意味するもの
フェニックス・サンズを倒しての3ピートと引退
1993年、マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズはフェニックス・サンズを倒し、NBA史上でも最も偉大なチームの一つとされる3ピートを達成した。ジョーダンはその年のファイナルで平均41.0得点を記録し、ファイナルMVPを獲得。すでにバスケットボールの頂点を極めた彼にとって、その後のキャリアは一見、順風満帆に思えた。
しかし、その年の10月、ジョーダンは突然の引退を発表する。理由は父親のジェームズ・ジョーダンの死と、それに続く精神的な疲弊だった。父親が亡くなったことはジョーダンにとって人生の大きな転機となり、彼は「父が自分に勧めてくれた野球をやってみたい」という理由でMLB傘下のマイナーリーグに挑戦することを決意した。
ジョーダンの引退はNBAだけでなく、スポーツ界全体に衝撃を与えた。彼の不在中、ブルズはスコッティ・ピッペンを中心に健闘したものの、NBAファイナル進出は叶わず、リーグはジョーダンの存在の大きさを痛感することとなる。
1995年3月18日：歴史が動く日
引退から約1年半が経った1995年3月18日、NBAにとって忘れられない日がやってくる。この日、ジョーダンは自身の復帰を正式に発表した。しかし、その方法は非常にユニークだった。
ジョーダンは記者会見を開くことなく、代理人事務所を通じてメディア各社にFAXを送るという手段を選んだ。FAXには、ジョーダンの復帰を告げるわずか2語のメッセージが書かれていた。
“I’m Back.”
ジョーダンはそのメッセージに多くを語る必要がないことを知っていた。この言葉だけで全てが伝わると確信していたのだ。そして、その簡潔さこそが彼の存在感をさらに際立たせた。
復帰声明の裏側：代理人フォークの証言
ジョーダンの代理人であるデビッド・フォークは、この復帰声明の舞台裏について語っている。
「私は自分のことを優秀なライターだと思っている。6、7種類のバリエーションを作り、マイケルはそれら全てに目を通したが1つも気に入ってくれなかった」とフォークは回想する。
ジョーダンはフォークの案に満足せず、自ら紙とペンを要求した。そして10分から15分ほどの時間をかけて、たった2語のメッセージを書き上げた。それが”I’m Back.”だった。
この短い言葉は、ジョーダンのチームメイトやNBA関係者だけでなく、世界中のファンにとっても究極のステートメントとなった。言葉数の少なさが逆に彼の決意と存在感を際立たせ、ジョーダンの復帰をより劇的なものにした。
復帰戦：ペイサーズ戦の衝撃
ジョーダンの復帰戦は1995年3月19日、インディアナ・ペイサーズとのアウェーゲームだった。この試合でジョーダンは背番号45を着用し、23ではなかったことが話題となった。理由は「父の死後、新しい人生の章を開く」というジョーダンの思いが込められていたためだ。
試合ではジョーダンが久々の公式戦で多少のブランクを感じさせたものの、エネルギーと勝利への意欲は健在だった。彼は19得点、6リバウンド、6アシストを記録し、ファンに「バスケットボール界の王が戻ってきた」という確信を与えた。
復帰後のブルズとジョーダン
ジョーダンの復帰後、ブルズは徐々に調子を取り戻していく。彼の存在はチームの士気を大きく高め、プレーオフではその本領を発揮することになる。特に1995年のイースタン・カンファレンス・セミファイナルでのオーランド・マジック戦では、若きシャキール・オニールとペニー・ハーダウェイ率いるマジックと激闘を繰り広げた。
ただ、このシーズンのブルズはマジックに敗れ、ファイナル進出を逃す。しかし、ジョーダンにとってこの結果は再び頂点を目指すためのモチベーションとなった。1995-96シーズンにはシーズン72勝10敗という歴史的な記録を樹立し、ジョーダンは再びNBAの頂点に君臨することになる。
“I’m Back.”の持つ意味
ジョーダンの復帰声明”I’m Back.”は、単なる2語以上の意味を持っている。これは、彼の不屈の精神と勝利への飽くなき執念を象徴する言葉だ。引退後に感じた挫折や苦難を乗り越え、再びコートに立つ決意を示すこのフレーズは、スポーツ史における最も記憶に残る瞬間の一つとなった。
ジョーダンの物語は、バスケットボールという枠を超え、人間の可能性や挑戦することの素晴らしさを伝えるものでもある。そして彼の”I’m Back.”は、全てのスポーツファンに「本物の伝説が戻ってきた」というメッセージを届けた。
・NBAポスター絵画展がコチラ↓
・手持ちのお金を守りながら着実に増やす投資術がコチラ↓
資産1000万円達成の8つのコツがコチラ↓
初心者向け！資産1000万円達成術8ステップ簡単解説
資産1000万円達成シンプル投資術がコチラ↓
資産1000万円を達成した私のシンプル投資法
資産1000万円達成のおススメ書籍がコチラ↓
資産1000万達成の為に読むべき本
コメント