NBAポスターコラム32:2013年NBAファイナル徹底解剖:レブロン・ジェームズが見せた王者の執念と覚醒。

NBAポスターコラム

32-レブロン・ジェームズ

2013年――それは、レブロンが“キング”から“レジェンド”へ

2013年、NBAファイナルは熱狂の果てに語り継がれるシリーズとなった。マイアミ・ヒートとサンアントニオ・スパーズ――東西を代表する名門同士の死闘は、第7戦までもつれる名シリーズとして今もなお語られ続けている。

中心にいたのは、もちろんレブロン・ジェームズ。レギュラーシーズンMVPに輝きながらも、第3戦までは20点以下に抑え込まれていた彼が、崖っぷちからどう這い上がったのか。このファイナルを通して見せた“進化と覚悟”の全貌を、じっくり掘り下げていこう。


王者vs王者、運命のファイナルカード

この年のNBAファイナルは、まさに“王者同士の衝突”だった。

イースト王者のマイアミ・ヒートは、前年の2012年にレブロンが念願の初優勝を果たしたばかり。ウェイド、ボッシュとの“ビッグ3”は結成3年目、圧倒的な29連勝を含む66勝16敗のシーズンを走り抜けた。

一方、ウェストから勝ち上がってきたのがサンアントニオ・スパーズ。ティム・ダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリという“永遠のビッグ3”が最後の頂点を目指していた。2007年以来のファイナルで、彼らは勝ち方を知っている軍団だった。

ベテランの知略vs若き才能。フィジカルvs戦術。すべてのバランスが拮抗した、まさに究極のファイナルが幕を開けた。


レブロンが抑え込まれた第1〜3戦

シリーズは第3戦まででスパーズが2勝1敗とリードを奪う展開になった。注目されたのが、レブロンの“沈黙”だ。

第1戦は18得点、第2戦で17得点、第3戦もわずか15得点。いずれもフィールドゴール成功率は50%を切り、パスばかり選ぶ消極的なプレイも目立った。スパーズはピック&ロールの回避、ジャンプシュート誘導、ペイント封鎖という徹底した“レブロン封じ”を仕掛け、見事に機能させていた。

SNSもメディアもざわつき始めていた。「またレブロンがファイナルで消えるのか」「シーズンMVPが機能しないなら意味がない」。過去のクリーブランド時代のトラウマを思い出す者も多かった。


第4戦で蘇生、レブロンのポストアップ革命

だが、第4戦から風向きが変わる。レブロンが“進化”を見せたのだ。

それまで避けていたポストプレーを積極的に取り入れる。ベースライン付近でのフェイダウェイや、エルボーからのフェイク&ドライブに相手は対応しきれなかった。

結果、第4戦でレブロンは33得点を叩き出し、FG%も50%を超える数字を記録。ヒートがタイに戻す大きな一勝を手にした。


第6戦、伝説の幕開け

NBAファイナル史に残る歴史的一戦。それが第6戦だ。

第4Q残り28秒、ヒートは95−92と3点ビハインド。このままスパーズが逃げ切れば、シリーズ終了という状況だった。

ウェイドのシュートは外れ、レブロンが執念のオフェンスリバウンドからスリーを沈めて2点差に。しかし次のポゼッション、再びスリーを放ったレブロンのシュートはリムに弾かれる――が、ここであのシーンが生まれる。

クリス・ボッシュのオフェンスリバウンド → コーナーのレイ・アレン → 残り5.2秒で同点スリー。

会場のアメリカン・エアラインズ・アリーナは爆発した。黄色いロープを用意していたスパーズファンは、絶望の表情を浮かべながら帰路についた。

だがこのゲーム、レブロンが凄かったのはそれだけじゃない。
第4QとOTで18得点。
プレイタイム45分超、鬼の形相でスパーズのディフェンスを切り裂き続けた。


第7戦、苦手だったスリーで王者の証明

第7戦、勝者が王者となる一戦。レブロンはスリーポイントを5本沈めたこと。レブロンはかつて苦手としていたプレイで次々と苦況を打破した。シリーズ通算平均43分プレイし、ほぼすべてのカテゴリーでチーム最高の数字をマーク。これこそ、“キング”が“チャンピオン”である証だった。


連覇、そしてMJとの比較

このファイナルMVP受賞で、レブロンは2年連続でのシーズンMVP&ファイナルMVPに輝いた。

この偉業を達成したのは、1991年と1992年のマイケル・ジョーダン以来、NBA史上2人目。誰もが「MJと並ぶ」という言葉を口にし始めた。

もちろん、比較はまだ早いという声も多かったが、レブロンが“キング”としての真価を見せた瞬間だったことは間違いない。


まとめ:このファイナルは、レブロンの成長記録だった

2013年のNBAファイナルは、ただの優勝劇じゃない。レブロン・ジェームズが、精神的にも技術的にも一段上へ進化した瞬間だった。

バッシングの中でも冷静さを失わず、試合ごとに修正を重ね、苦手を克服し、最後は自らの手で王座をもぎ取った。

リングの数だけじゃ語れない、彼の真価が最も表れたファイナルだったと言える。
2013年――それは、レブロンが“キング”から“レジェンド”へと進化したターニングポイントだ。

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