736-コービー・ブライアント
2003-04シーズンのレイカーズ:コービー・ブライアントと悲劇の物語
2003-04年シーズンのロサンゼルス・レイカーズは、まさにスーパーチームの象徴だった。このシーズン、シャキール・オニール、コービー・ブライアントという二枚看板に加え、元MVPのカール・マローンとリーグ屈指のシューター、ゲイリー・ペイトンが加入。優勝以外の結末は考えられないような布陣だった。しかし、このシーズンは期待通りには進まなかった。コービー・ブライアントの個人的な問題、チームの内部対立、そしてNBAファイナルでのデトロイト・ピストンズの衝撃的な勝利。これらすべてが交錯する一連の出来事を掘り下げていく。
スーパーチーム誕生の背景
レイカーズは2000年から2002年にかけて3連覇を達成した。しかし、2002-03年シーズンはサンアントニオ・スパーズに西カンファレンス準決勝で敗れるという結果に終わった。この失敗を受け、ジェリー・バスとミッチ・カプチャックGMはチームの再強化に動いた。マローンとペイトンという名選手の獲得は、優勝経験豊富なオニールとブライアントにさらなる支援を与えることを目的としていた。
マローンとペイトンは共にキャリア晩年だったが、リングを手に入れるためにレイカーズに加入した。特にマローンは長年ユタ・ジャズで優勝を逃してきた苦労人であり、ペイトンもキャリアの大部分をシアトル・スーパーソニックスで過ごしながらチャンピオンリングには手が届かなかった。こうしたバックグラウンドを持つ2人の加入は、レイカーズをリーグ最強チームに押し上げるはずだった。
コービー・ブライアントの個人的な問題
しかし、シーズン前からチームは問題を抱えていた。最大の要因は、コービー・ブライアントの性的暴行容疑による逮捕だった。この事件はリーグ全体を揺るがし、コービー自身も大きな精神的負担を抱えながらシーズンを戦うことになった。
コービーは逮捕後、裁判と試合を並行してこなすという異例のスケジュールを強いられた。試合前日にコロラド州で裁判に出廷し、その後試合に出場するという生活が続いた。コート上でのパフォーマンスには影響が見られなかったものの、チームメイトとの関係やメディアからの圧力がコービーに重くのしかかった。
さらに、コービーとシャックの関係も悪化していた。もともと二人の間には対立があったが、このシーズンではそれが顕著になった。コービーは自分がチームの中心になるべきだと考え、シャックは自身が未だに絶対的な存在であると主張。これがチーム内の化学反応を阻害し、全員が同じ方向を向くことを難しくしていた。
レギュラーシーズンの戦い
レイカーズはシーズン序盤を快調にスタートした。マローンとペイトンの加入により、攻守にわたるバランスが改善され、序盤の15試合で13勝を挙げた。しかし、その後、マローンが膝の負傷で長期離脱。これによりチームはバランスを失い、特にディフェンスで苦戦する場面が増えた。
さらに、オニールもシーズン中に複数の怪我に悩まされ、安定感を欠いた。一方で、コービーは個人としてのパフォーマンスを維持し続け、シーズン平均24.0得点、5.5リバウンド、5.1アシストというオールラウンドな活躍を見せた。
レギュラーシーズンを56勝26敗で終えたレイカーズは、西カンファレンスで2位の成績を収めた。しかし、この記録はスーパーチームとして期待されたほどの圧倒的なものではなかった。
プレイオフの激闘
プレイオフに入ると、レイカーズは徐々に本来の力を発揮し始めた。1回戦ではヒューストン・ロケッツを4勝1敗で下し、続く西カンファレンス準決勝ではサンアントニオ・スパーズと激戦を繰り広げた。このシリーズのハイライトは、第5戦でのコービーとデレック・フィッシャーのクラッチプレイだった。特にフィッシャーが試合終了間際の0.4秒で決めた逆転シュートは、NBA史上に残る名場面となった。
西カンファレンス決勝ではケビン・ガーネット率いるミネソタ・ティンバーウルブズを破り、ファイナル進出を果たした。この時点で、多くの人がレイカーズの優勝を予想していた。
デトロイト・ピストンズとのファイナル
NBAファイナルの相手は、東カンファレンスを制したデトロイト・ピストンズだった。ピストンズはスーパースター不在のチームだったが、ラリー・ブラウンHCの指導のもと、鉄壁のディフェンスとチームバスケットで勝ち上がってきた。
ファイナルは予想外の展開となった。第1戦でピストンズは、ロースコアゲームを制し、レイカーズのオフェンスを完全に封じ込めた。レイカーズは第2戦を何とか延長戦で勝利したものの、その後の3試合をピストンズに連敗。特に最終戦では、ピストンズのディフェンスがコービーとオニールを完全に封じ込め、100-87で勝利。ピストンズが4勝1敗でシリーズを制した。
ファイナル敗退の衝撃
この敗北はNBA史上最大級のアップセットの一つとされている。コービーはファイナルで平均22.6得点を記録したものの、ピストンズのディフェンスに苦しめられ、シュート成功率は38.1%にとどまった。オニールは平均26.6得点、10.8リバウンドと健闘したが、チーム全体としてのオフェンスが機能しなかった。
一方、ピストンズはチャウンシー・ビラップスがファイナルMVPに輝き、全員が役割を全うする完璧なチームバスケットを展開。特にベン・ウォーレスのインサイドでの存在感とリチャード・ハミルトンの得点力が際立った。
結末とその後
ファイナル敗退後、レイカーズは解体の道を歩むことになる。シャックは翌シーズンにマイアミ・ヒートへトレードされ、ペイトンとマローンもチームを去った。フィル・ジャクソンHCも一時的に退任し、コービーだけが新生レイカーズの中心選手として残された。
2003-04年シーズンのレイカーズは、スーパーチームの栄光と限界を象徴するシーズンだった。コービー・ブライアントの個人的な苦悩と成長、チーム内の葛藤、そしてピストンズのチームバスケットが織り成すドラマは、NBAファンの記憶に刻まれることとなった。
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