NBAポスターコラム175:若き才能がリーグの主役を奪いにいった時代。96年×98年×03年の“衝突”を深掘りする。

NBAポスターコラム
175-ライジングスターズ

175-ライジングスターズ

若手がベテランの“主役”を奪いにいく瞬間

NBAの歴史を振り返ると、必ず「世代交代の波」が存在する。
90年代ならジョーダン時代からシャック&コービーへの移行があり、2000年代に入ればティム・ダンカンやケビン・ガーネットが台頭した。そして2000年代半ば、この流れを一気に加速させたのが、当時の“ヤングコア”と呼べる03年組を中心とした新世代だった。

若手はいつの時代も「主役」を奪いに来る。
ただ、この頃の勢いはちょっと異常なくらいだった。
レブロン、メロ、ウェイドの03年組は入団数年でリーグ構造そのものを揺さぶり、アイバーソンやコービーが築いてきたスター文化の上に、より巨大で、よりパワフルな“新しい主役像”を積み上げていった。

“リーグを牛耳りに来ている”…そんな空気が本気で漂っていた。

03年組という怪物世代の破壊力

03年ドラフトは、文句なしの当たり年だと言われ続けてきた。
レブロン・ジェームス、カーメロ・アンソニー、ドゥエイン・ウェイド。
どの選手もフランチャイズの顔どころか、リーグの顔になれるポテンシャルを持っていた。

レブロンはデビューから既に“選手の枠”を超えた存在で、王様の風格をまとっていた。スキルも身体能力も規格外。デビュー2〜3年目で、ベテランが支配していたリーグの空気を普通に塗り替えてしまった。

ウェイドは身体能力の塊で、ルーキー時代からクラッチに強く、04-05シーズンには早くも「リーグ最強のドライバー」と言われるほど。そして06年にはファイナルMVP。03年組が “ベテランの順番待ち” をしなかったのが、この時代の象徴だ。

メロは純粋なスコアリング力では同期で最も完成度が高かった。大学で全米王者を経験し、ルーキーから安定して20点台を叩き出す。スーパースターとしての色気が抜けていたのもメロらしい。

03年組は、“入団直後からトップレベルに割り込みに来た世代”だった。

同時代に02年のアマレ、04年のドワイトが台頭

この03年組に負けじと存在感を示したのが、前年02年デビューのアマレ・スタウダマイヤー。
新人王を獲得し、ルーキーとは思えない爆発力と身体能力でペイントを破壊し続けた。彼のダイブやフィニッシュ力は当時のNBAで抜けていたし、スティーブ・ナッシュとのピック&ロールはリーグ最強レベルに発展する。

そして04年新人王のドワイト・ハワード。
18歳デビューにもかかわらず、ゴール下の支配力はすでに異常。
「未来のシャック」と言われるのも当然で、実際に数年後には最強センターとしてリーグを制圧していく。

この頃のNBAは、若手の“化け物率”が高すぎた。

96年組のレジェンドたちとの衝突

さらにこの時代が面白いのは、96年組という歴史的黄金世代がまだ現役バリバリだったことだ。

アレン・アイバーソン
スティーブ・ナッシュ
レイ・アレン
コービー・ブライアント

この4人だけでも“レジェンド級”なのに、まだ優勝も全盛期もこれからという段階だった。
つまり、若手が台頭するには「越えるべき壁」が明確に存在していたんだ。

アイバーソンの点取り屋スタイル、コービーの支配力、ナッシュのゲームメイクは、若手にとっては“目標であり、倒すべき相手”だった。
03年組の台頭が語られるとき、必ず当時の96年組が比較対象になるのはそのため。

「若手 vs レジェンド」が毎年行われていた時代だった。

98年組も静かに存在感を放つ

98年組も地味に強烈だった。

ダーク・ノビツキー
ポール・ピアース
アントワン・ジェイミソン

特にノビツキーは新世代の“理不尽なスーパースキル”を象徴する存在で、7フッターが外から撃ちまくるという異次元のスタイルを確立した。
ピアースも“勝負強さ”と“スコアリング力”でリーグ屈指のエース格へと成長し、若手勢に立ちはだかった。

96年×98年×03年の衝突。
この3つの世代が同時にピークへ向かっていくという、NBA史でもかなり稀な混戦時代だった。

まさかの未来。レブロンとハワードが同じチームに?

当時、誰が“レブロン×ハワード”の共闘を想像できただろう。
03年組のド真ん中であるレブロンと、04年組の象徴であるドワイト。
タイプは違うが、どちらも「リーグ支配力」を持つ巨大な存在だ。

しかし2012年、ロサンゼルス・レイカーズでこの二人が並ぶことになる。
当時のポスターを見返しても、誰もそんな未来を想像してない。
レブロンはキャブスの王、ドワイトはオーランドの王。
互いに“自分の街を背負ってる”タイプのエースだっただけに、共演は違和感さえあった。

歴史を知ると、この共闘は本当に“異例中の異例”だったと言える。

支配力がある選手は、結局「殿堂級」と組む運命にある

面白いのは、支配力を持つスーパースターほど、キャリアのどこかで殿堂級の選手と共闘しがちなことだ。

レブロンはもちろん、ウェイドやボッシュ、後にはデイビスとも組んだ。
コービーはシャック、ガソルと共闘した。
ノビツキーはキッドやナッシュと組んだ時期もある。
アイバーソンも晩年はメロと共闘した。

“支配力がある者同士は引き寄せられる”…そんな感じさえある。

ただ、この時代のポスターに描かれたメンバーの中で、シャックと共闘していないのはメロだけだ。ここにちょっとした「歴史の面白さ」が詰まっている。

“当たり年の衝突”がNBAを面白くした時代

96年組
98年組
03年組

この3つの当たり年が重なり、さらに02年アマレ、04年ドワイトが加わることで、NBAは一気に“若手の革命期”に突入した。

ベテランの力
若手の勢い
時代を超えるスター性

この全部が詰まったのが2000年代半ばだった。
今のNBAにも“世代交代”はあるけれど、当時のような「黄金世代が三層構造で衝突していた時代」は、本当に特別だったと思う。

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