NBAポスターコラム84:アイバーソンが1位に選ばれるランキングとは?

NBAポスターコラム

84-アレン・アイバーソン

アイバーソンが1位に選ばれる理由

NBA史上最高の1on1プレイヤーランキングを深掘りする

NBAの歴史を語るうえで、「誰が最も1on1に強いのか?」という議論は、ファンの間で尽きることがないテーマだ。
1on1の強さは単なる得点力だけでは測れない。スピード、フィジカル、スキル、創造性、そして勝負所でのメンタリティ――すべてが揃って初めて、“史上最高”の称号に値する。

2010年前後、ペンシルバニア州の地方紙「エリー・タイムズ・ニューズ」が発表した独自のランキングは、そんな議論に火をつけた。驚くべきは、その1位に選ばれたのがアレン・アイバーソンだったことだ。


ランキング概要

このランキングは以下の通り。

1位 アレン・アイバーソン
2位 マイケル・ジョーダン
3位 コービー・ブライアント
4位 ケビン・マクヘイル
5位 アイザイア・トーマス
6位 カリーム・アブドゥル・ジャバー
7位 オスカー・ロバートソン
8位 エイドリアン・ダントリー
9位 アキーム・オラジュワン
10位 アール・モンロー

この顔ぶれを見れば分かる通り、ガードだけでなくビッグマンもランクインしており、「ポジション問わず“1対1で仕掛けて勝負できる力”」が評価基準となっている。


1位 アレン・アイバーソン ― 圧倒的な破壊力

アイバーソンがこのランキングで1位になった理由は、彼の1on1能力があまりにも突出していたからだ。

  • 爆発的な初速
    彼の一歩目はNBA屈指の速さで、静止状態から一瞬でディフェンダーを置き去りにする。
  • クロスオーバーの破壊力
    いわゆる“アイバーソン・クロス”は、歴代でも屈指の殺傷力を誇った。1997年の新人時代に、マイケル・ジョーダンを抜き去ったプレーは伝説となっている。
  • 身長183cmのハンデを逆手に
    小柄だからこそ、重心が低く、相手の動きに合わせて一瞬で方向転換できる。フィジカルで勝負できない分、スキルとスピードで支配した。

アイバーソンの1on1は、相手が誰であれ「止められる気配がしない」という恐怖を与えた。彼にマークについた選手は、ほぼ全員が“抜かれること”を覚悟しなければならなかった。


2位 マイケル・ジョーダン ― 完成されたスコアリングマシン

ジョーダンが1on1で恐ろしいのは、どのディフェンスにも対応できるオフェンスの引き出しの多さだ。
ポストアップ、フェイダウェイ、ドライブ、スピンムーブ――何をしても美しく、そして正確だった。

ジョーダンの1on1はフィジカルとスキルが高次元で融合しており、相手にとっては「どこを守ればいいのか分からない」という地獄のような状況を生み出した。
加えて勝負所での集中力は異常なレベルで、クラッチタイムの1on1ではほぼ確実に仕留めてきた。


3位 コービー・ブライアント ― ジョーダンの後継者

コービーはジョーダンを徹底的に研究し、自らの武器に変えた選手だ。
彼の1on1はジョーダン譲りのポストアップからのフェイダウェイ、そして後半になるほど精度が増すジャンパーが特徴。

ただし、コービーの魅力はスキルだけではない。「俺が決める」というメンタルの強さも1on1における武器だった。ディフェンスが何人寄っても、1on1に持ち込み、決めきる自信を持っていた。


4位 ケビン・マクヘイル ― ポストでの孤高の職人芸

ビッグマンながら4位に入ったマクヘイルは、ポストプレーの教科書のような存在だ。
独特の長い腕を使ったフェイク、フック、リバース、そして相手を翻弄する多彩なステップ。
1on1ではゴール下から離れることなく、じわじわと相手を料理していく。


5位 アイザイア・トーマス ― スモールガードの知略

ピストンズの“バッドボーイズ”の司令塔だったアイザイアは、1on1でも巧みな読みと緩急で相手を抜くことができた。
彼のドリブルはまるでボールが手の一部のようで、相手が手を出せば即座に逆を突く。
アイバーソンのような爆発力はないが、「確実に抜く」老獪さがあった。


6位 カリーム・アブドゥル・ジャバー ― スカイフックの絶対性

カリームの1on1といえば、やはり“スカイフック”だ。
長身から繰り出されるこのシュートは、ブロック不能とまで言われた。
1on1の状況では、ほぼすべてのディフェンダーが手も足も出なかった。


7位 オスカー・ロバートソン ― トリプルダブル男の万能性

オスカーはポイントガードながらサイズがあり、1on1では体格差を生かしてポストアップもできる万能型。
スピードとパワーを兼ね備え、どんな守備にも対応できた。


8位 エイドリアン・ダントリー ― 渋すぎる職人

ダントリーは1on1からのフリースロー獲得が異常に上手かった。
派手さはないが、じわじわと相手を削るように得点を積み重ねるタイプ。
“止められない地味さ”という珍しい武器を持っていた。


9位 アキーム・オラジュワン ― ドリームシェイクの魔術師

オラジュワンのポスト1on1はまるでダンスのようだった。
フェイクとスピンを組み合わせた“ドリームシェイク”は、相手の重心を完全に崩し、ブロック不能なシュートを生み出す。


10位 アール・モンロー ― スムースな動き

“ブラック・ジーザス”とも呼ばれたモンローは、流れるようなドリブルとステップでディフェンスを翻弄した。
1on1の美学を体現するプレイヤーだった。


なぜアイバーソンが1位なのか?

このランキングが発表された2010年頃、アイバーソンはすでに全盛期を過ぎていた。
それでも1位に選ばれたのは、「1on1の象徴」としてのインパクトがあまりにも大きかったからだ。

  • サイズで劣るにもかかわらず、リーグ屈指のディフェンダーを何度も切り裂いた
  • どんな相手でも、1on1でシュートまで持ち込む能力
  • 観客を沸かせる創造性と派手さ

アイバーソンは単なる得点屋ではなく、1on1をアートに昇華させた存在だった。


このランキングの意義

このリストは単なる人気投票ではなく、「ポジションを超えて1on1というスキルを評価」した点で価値がある。
ガード、フォワード、センター、それぞれの“1on1の形”があることを改めて示している。

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