792-アレン・アイバーソン
アレン・アイバーソン、最高のシーズンと最後の戦い
苦難の道を乗り越えたシクサーズ
2000-01シーズン、フィラデルフィア・76ersはイースタン・カンファレンスの頂点に立ち、18年ぶりのNBAファイナル進出を果たした。このチームの中心には、リーグMVPを獲得したアレン・アイバーソンがいた。彼はわずか183cm、75kgという小柄な体でリーグを支配し、チームを勝利へと導いてきた。しかし、シーズンは決して順風満帆ではなかった。
開幕前、アイバーソンのトレード話が持ち上がるなど、チームは一枚岩ではなかった。HCのラリー・ブラウンとの関係も冷え切っており、チームの未来は不透明だった。しかし、アイバーソンは「俺は変わってみせるよ」と誓いを立て、バスケットボールだけに集中した。その結果、シクサーズはレギュラーシーズン56勝26敗の好成績を収め、アイバーソン自身も得点王(31.1得点)とスティール王(2.5スティール)を獲得。MVPに選ばれるなど、個人としてもキャリア最高のシーズンを送った。
苦しみながらも勝ち上がったプレーオフ
プレーオフに入ると、シクサーズの戦いはさらに過酷なものとなった。1回戦ではインディアナ・ペイサーズを3勝1敗で破ったものの、2回戦のトロント・ラプターズ、カンファレンス・ファイナルのミルウォーキー・バックスとのシリーズはいずれも第7戦までもつれ込む死闘だった。
ラプターズとのシリーズでは、アイバーソンが第2戦で54得点、第5戦で52得点を叩き出し、チームを救った。カンファレンス・ファイナルでは、第7戦で44得点を記録し、チームをファイナルへと導いた。連戦による疲労と相次ぐ負傷の中、彼は倒れても立ち上がり続けた。
無敵のレイカーズに挑む
NBAファイナルの相手は、シャキール・オニールとコービー・ブライアントを擁するロサンゼルス・レイカーズ。プレーオフで無敗のままファイナルに駒を進めたこのチームは、「全勝優勝」も噂されるほど圧倒的な強さを誇っていた。
しかし、アイバーソンはこの最強チームに一矢報いる。第1戦、オーバータイムに突入する大接戦の末、48得点を挙げてチームを勝利に導いた。この試合の終盤、タイロン・ルーをクロスオーバーで翻弄し、シュートを決めた後に彼をまたぐシーンは、NBAファイナル史に残る名場面となった。
明らかな総合力の差
しかし、ここまでだった。シクサーズは続く4試合でレイカーズに敗れ、シリーズは1勝4敗で幕を閉じた。アイバーソンはファイナル全体で平均35.6得点を記録し、最強チーム相手に奮闘したが、チームとしての総合力の差は明らかだった。
第5戦の終盤、敗北を悟ったブラウンHCは、アイバーソンをベンチに下げる決断をする。地元ファンは「MVP、MVP」と叫び続け、アイバーソンもそれに応えるかのようにリストバンドをスタンドに投げた。その表情には、敗北への悔しさと、シーズンの終わりを受け入れたくない気持ちがにじみ出ていた。
試合後、アイバーソンはメディアの前に立つことなく、アリーナを後にした。
成長の証明
このシーズン、アイバーソンは単なる得点マシンではなく、チームのリーダーとしても進化を遂げた。試合中、自らのシュートが不調だと感じれば、無理に打たず、味方にチャンスを作るプレーを見せた。クラッチタイムでは一瞬の迷いもなく3ポイントを決め、ディフェンダーを引きつけながらインサイドに切り込んだ。
ラリー・ブラウンとの関係も劇的に改善した。オールスターでMVPを獲得した際、アイバーソンは「俺のコーチはどこだ?」とブラウンを探し続け、抱き合った。そして、ファイナル敗退が決まった試合後も、彼が最初に向かったのはブラウンだった。ふたりの関係の変化は、チームの結束を象徴するものだった。
“アンサー”が示した答え
このシーズン、アイバーソンは得点王、MVP、イースタン・カンファレンス制覇という輝かしい成果を残した。しかし、それ以上に彼が証明したのは、自らの成長だった。傷だらけになりながら戦い続ける姿に、多くのファンが心を動かされた。
たったひとりで試合を決めるような圧倒的な個の力を持ちながら、チームのために戦う術を学んだアイバーソン。その姿勢が、彼をただのスコアラーではなく、シクサーズのリーダーたらしめた。
この年のファイナルは、レイカーズの圧勝として記録される。しかし、アイバーソンが残した爪痕は、敗れた側の選手とは思えないほど大きなものだった。
アイバーソンは、このシーズンを通じて“アンサー”という自身の異名にふさわしい答えを見せつけたのである。
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