NBAポスターコラム778:「スーツを着ても殺人者は殺人者」…アイバーソンが戦ったNBAの掟とは?

NBAポスターコラム
778-アレン・アイバーソン

778-アレン・アイバーソン

アレン・アイバーソンとNBAのドレスコード導入

ヒップホップカルチャーとNBAの関係

2000年代初頭、NBAはまさにヒップホップと共にあった。選手たちはコート外でも自分たちのスタイルを貫き、オーバーサイズのTシャツ、バギーパンツ、ド派手なチェーン、ニューエラのキャップといったヒップホップファッションを好んでいた。特にその象徴的存在だったのがアレン・アイバーソンだ。

アイバーソンはリーグでの活躍と同時に、そのライフスタイルも注目され、コートの外でもカリスマ的な人気を誇った。しかし、その自由なスタイルが問題視されるようになっていく。デビッド・スターンがリーグのイメージをクリーンにしようと動き出し、2005年のドレスコード導入につながる。

2005年、NBAのドレスコード導入

2005-06シーズンからNBAは正式にドレスコードを導入した。このルールによって、選手たちはアリーナに出入りする際や記者会見時にフォーマルな服装を求められるようになった。禁止されたのは以下のようなスタイルだった。

  • オーバーサイズの服
  • Tシャツやタンクトップ
  • バギーパンツ
  • ドゥーラグやキャップ
  • 派手なジュエリー(特に大きなチェーン)

この決定は、リーグがより「洗練された」イメージを確立し、スポンサーや視聴者層を広げるためのものだった。しかし、多くの選手はこれに反発した。なぜなら、このルールがターゲットにしていたのは明らかに黒人文化、特にヒップホップファッションだったからだ。

アレン・アイバーソンの反発「スーツを着ても殺人者は殺人者」

アイバーソンはドレスコード導入に対して最も強く反発した選手の一人だった。彼はこのルールがNBAにおける黒人選手のスタイルを制限し、ヒップホップカルチャーを否定するものだと感じた。

「スーツを着ても殺人者は殺人者だ」

これはアイバーソンがドレスコード導入に対して放った有名な言葉だ。彼の言いたかったことは単純だった。

「服装が人間を決めるわけじゃない。スーツを着たからといって、品行方正になるわけじゃない。逆に、ストリートスタイルだからといって悪人扱いされるのはおかしい」

また、アイバーソンは「リーグがスーツを着ろと言うなら、その代金を負担すべきだ」とも発言した。これは、NBAの若手や契約の小さい選手にとってはスーツを何着も揃えるのが経済的負担になるという現実を指摘したものだった。

他の選手たちの反応

アイバーソン以外にも、多くの選手がこのルールに対して不満を表明した。

  • ポール・ピアース:「スーツを着ろって?それが俺のプレーに何の関係があるんだ?」
  • ステフォン・マーブリー:「NBAは自分たちのアイデンティティを奪おうとしている」
  • ジェイソン・リチャードソン:「これは黒人文化を狙い撃ちにしているように感じる」

一方で、賛成する声もあった。レジェンドのマイケル・ジョーダンやカール・マローンは「ビジネスマンとしての振る舞いが求められるのは当然だ」とし、リーグの判断を支持した。

ドレスコード導入後の影響

ドレスコードが導入されると、選手たちのファッションは一変した。当初はスーツ姿に不満を漏らす選手も多かったが、次第に「どうせ着るならスタイリッシュに」と考えるようになり、選手たちはハイブランドのスーツやオーダーメイドの服を着こなすようになった。

この流れを最も象徴するのがラッセル・ウェストブルックやレブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイドといった選手たちだ。彼らは次第にファッションを楽しむようになり、現在ではNBA選手の私服がファッション界でも注目を集めるようになった。

ドレスコードは黒人文化を抑圧するものだったのか?

ドレスコード導入は当時、大きな論争を呼んだ。「黒人文化を抑圧するものだ」という意見は根強く、特にヒップホップとNBAが深く結びついていた時代において、突然そのスタイルを制限されたことに違和感を覚えた選手は多かった。

一方で、結果的に選手たちが新たなファッションの流れを作り出し、現在のNBAのファッション文化の基盤を築いたことも事実だ。ウェイドやウェストブルック、ジェームズ・ハーデンといった選手たちは、スーツに限らず、ハイファッションやストリートファッションを融合させ、NBAのファッションシーンを発展させていった。

まとめ:アイバーソンの影響は消えない

アレン・アイバーソンは、NBAの歴史において最も影響力のある選手の一人であり、その影響はコート内外に及んでいる。彼がドレスコードに対して強く反発したことも、単なる反抗ではなく、黒人文化とNBAの関係を守ろうとする彼なりの信念だった。

ドレスコードの導入から約20年が経ち、今やNBA選手たちは自由にファッションを楽しむ時代になった。しかし、アイバーソンが「スーツを着ても殺人者は殺人者」と言ったように、服装がその人間を決めるわけではない。NBAの選手たちは、そのプレースタイルと同じように、ファッションでも個性を表現し続けている。

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