738-クリス・ウェバー
FAクリス・ウェバーがキングス残留を決意するまでの舞台裏
クリス・ウェバーといえば、2000年代前半のNBAでトップクラスのパワーフォワードとして名を馳せた選手だ。特にサクラメント・キングス時代の彼は、チームの中心選手として躍動し、リーグ屈指のレイカーズ対抗勢力を築き上げた。だが、彼がキングスに残留するまでの過程は決して平坦ではなかった。FAとなった彼は、他チームへの移籍も視野に入れつつ、最終的にキングス残留を決断する。その背景には、彼自身のチーム分析能力やキングスのチーム構成が密接に絡んでいた。本記事では、その舞台裏を掘り下げていく。
自分の居場所を探すウェバーの葛藤
2001年、ウェバーはFAとなり、多くのチームからオファーを受けた。その中には、当然ながら優勝を狙える強豪チームも含まれていた。だが、ウェバーは単に大金や名声に釣られることなく、自らのキャリアを冷静に見つめ直し、どのチームが自分にとって最良の選択肢であるかを徹底的に分析した。彼が注目したのは、「レイカーズを倒せる可能性があるチームかどうか」という一点だった。
ウェバーは当時を振り返り、こう語っている。
「イーストでファイナルに行くよりも、まずはウエストでレイカーズを倒したいという気持ちが強かった。で、どのチームに一番チャンスがあるのかを考えると、残った選択肢はキングス。」
キングスはウェバーにとって、自身が築き上げてきたチームであり、ブラディ・ディバッツやボビー・ジャクソンといった勝利への執着心を持つ仲間たちの存在を強く意識していた。ウェバーはさらに続ける。
「隣の芝は青く見えるものだけど、ただ青く見えるだけなんだ。」
この言葉には、移籍による不確実性への警戒心と、現在のチームへの愛着が滲み出ている。
ウィリアムズ放出とビビー獲得が決断を後押し
FA交渉が進む中で、2001年6月27日にキングスが行った一手がウェバーの心を揺さぶる。それは、彼の友人でもあったジェイソン・ウィリアムズの放出と、マイク・ビビーの獲得というトレードだった。この動きは一見すると、ウェバーを引き止めるどころか逆効果になるように思われた。だが実際には、ウェバーの迷いを断ち切る決定打となった。
ウェバーはこのトレードについて次のように語っている。
「ウィリアムズの放出はショックだったけど、ビビーの獲得でチームが勝つための非情さを持っていることを知った。これで迷いが消えた。」
キングスのフロントは、ビビーの持つ安定感やゲームメイク能力がチームに必要なピースであることを見抜いていた。この判断はウェバーにとっても「勝利への覚悟」を示すメッセージとして受け取られ、キングス残留の決意を固める一因となった。
7年契約で残留、いざ優勝を目指すシーズンへ
2001年7月21日、ウェバーはキングスと7年1億2270万ドル(約147億円)の契約延長に合意する。これにより、キングスは引き続きウェバーを中心としたチーム作りを進めることが可能となった。ウェバーもこの契約を通じて、初めてチームとしての「タイトル獲得」を本気で意識したと語る。
「ビビーが入ってパズルのファイナルピースが見つかった。キャンプ初日からプレーオフを見据えた戦いが始まった。」
このシーズンのキングスは、レギュラーシーズンをリーグベストの記録で終えるなど圧倒的な強さを見せた。そして、プレーオフでも西の覇権を争うレイカーズとのカンファレンス・ファイナルまで進む。
名シリーズとなった2002年のカンファレンス・ファイナル
2002年のカンファレンス・ファイナルは、NBA史に残る激戦として知られている。特にゲーム7はオーバータイムに突入し、最終的にはレイカーズが勝利を収めたものの、シリーズ全体を通してキングスの実力はリーグ全体に知らしめられることとなった。
ウェバーにとって、このシリーズは自らのキャリアにおけるハイライトであり、同時に最大の挫折でもあった。ゲーム7の敗北を経て、彼はこう語っている。
「あの瞬間、あと一歩で届くと思った。でも、それがどれだけ遠いかも痛感した。」
シャックのコメントが示すウェバーの存在感
ウェバーがFAの際には、「チームを離れるのではないか」という憶測が飛び交った。その中でレイカーズのシャキール・オニールは、次のような発言をしている。
「ウェバーのいないキングスなんてエクスパンションチームみたいなものだ。」
これは皮肉交じりの発言ではあるが、当時のウェバーがキングスにとってどれほど重要な存在だったかを物語っている。彼の残留がなければ、キングスはレイカーズに対抗できる勢力ではあり得なかっただろう。
結論
クリス・ウェバーがキングスに残留を決断した背景には、自身のキャリアへの冷静な分析と、キングスというチームの可能性への信頼があった。ウィリアムズの放出やビビーの獲得といったフロントの動きも、ウェバーに「このチームで勝てる」という確信を与えた。そして、彼の決断はキングスをリーグ屈指の強豪へと押し上げる原動力となった。
だが、優勝という目標にはあと一歩届かなかった。ウェバーとキングスが築いた時代は、NBAファンにとって忘れられないものとなったが、同時に「もしあの時…」という思いを残すものでもある。
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