NBAポスターコラム700:血をすすりながら戦ったアレン・アイバーソン、その覚悟の先に、、、。

NBAポスターコラム
700-アレン・アイバーソン

700-アレン・アイバーソン

アレン・アイバーソン:不屈の闘志でコートに立ち続けた男

小柄な巨人、アレン・アイバーソン

アレン・アイバーソンはNBA史上でもっとも情熱的で、もっともハードなプレイヤーの一人として知られている。公表されている身長183cm、体重75kgというデータよりも実際はさらに小柄だと噂されている彼は、サイズで劣る分を埋め合わせるかのように、誰よりも懸命にプレーし続けた。サイズが小さいことは、アイバーソンにとってむしろモチベーションの源だったと言える。

アイバーソンは常にコート上で最大限の努力を惜しまず、彼のプレースタイルは身体を張ったものだった。彼は何度も倒れ、何度も立ち上がり、決して諦めることなく戦い続けた。その意志の強さは、彼のプレーを象徴するものだった。

スティールを巡る壮絶な戦い

その象徴的な場面の一つが、ある試合中に起こった。スティールを試みたアイバーソンに対して、相手選手の左肘が直撃し、彼の口内を切り裂いた。激しい出血が始まったが、アイバーソンはそれを気にすることなくプレーを続行。レフェリーに気づかれたら強制的にベンチに下げられてしまうため、彼は血をすすりながらプレイし続けた。この場面は彼の不屈の精神を象徴するものであり、フィラデルフィアのみならず、世界中のバスケットボールファンから賞賛された。

83年以来のリーグ制覇を目指して

アイバーソンの不屈の精神が特に際立ったのが、2001年のプレーオフだ。この年、フィラデルフィア・76ersは1983年以来のリーグ制覇を目指して戦いに挑んだ。彼らの前に立ちはだかったのは、トロント・ラプターズとミルウォーキー・バックスだった。

アイバーソン vs. ヴィンス・カーター

まず、ラプターズとのシリーズでは、アイバーソンとヴィンス・カーターが激しい点取り合戦を繰り広げた。第2戦でアイバーソンが54得点を叩き出せば、続く第3戦ではカーターが50得点を記録。そして第5戦では再びアイバーソンが52得点と、両者は50点超えのスコアを連発し、シリーズは熾烈な戦いとなった。最終的に第7戦の終盤、カーターのクラッチショットが外れ、シクサーズがシリーズを制した。

ミルウォーキー・バックスとの死闘

続いて迎えたのは、グレン・ロビンソン、レイ・アレン、サム・キャセールを擁するバックスとのイースタン・カンファレンス決勝だった。このシリーズもまた、最終戦にもつれ込む死闘となった。

第4戦で、再びアイバーソンにアクシデントが襲いかかった。レイ・アレンの腕がアイバーソンの顔面に当たり、彼の口内を負傷させた。大量出血を伴う負傷だったが、アイバーソンはここでも血をすすりながらプレーを続行するという決断を下した。この極限状態のなかで、彼は28得点を挙げ、チームを勝利に導いた。後がなくなったバックスは第6戦でレイ・アレンが41得点の活躍で勝利し、両チームにとって2シリーズ連続となる第7戦に突入した。最後は76ersの手負いのエース、アイバーソンが44得点を記録し、この勝利によってシクサーズはファイナルへの切符を手にした。

ファイナルでの壮絶な戦い

シクサーズがファイナルで対戦したのは、当時最強のロサンゼルス・レイカーズだった。レイカーズはシャキール・オニールとコービー・ブライアントという、リーグを代表するスーパースターを擁しており、シクサーズにとっては非常に厳しい戦いが予想された。

「The Stepover」という伝説の瞬間

ファイナル第1戦、アイバーソンは48得点を記録し、シクサーズを勝利に導いた。しかし、以降の4試合はレイカーズに圧倒され、シクサーズは敗北を喫した。しかし、この年のファイナルで最も印象に残る瞬間は、シャックやコービーの活躍でも、レイカーズの優勝の瞬間でもない。最も語り継がれるのは、オーバータイムでアイバーソンがジャンパーを決めた後、倒れたタロン・ルーを跨いだ「The Stepover」と称されるシーンだ。

この場面は、NBAファイナルの歴史における象徴的な瞬間の一つとなり、2023年にNBAが公開した「Top moments in NBA Finals history」という記事でも取り上げられている。

タロン・ルーとアイバーソンの関係

その「The Stepover」の被害者となったタロン・ルーは、後年この時のことを振り返り、「アイバーソンが01年のファイナルに進出したことで、自分のキャリアは本当に救われた。もしバックスがシクサーズを破っていたら、自分はプレーしていなかったし、あの年がNBAでのラストイヤーだったかもしれない」と語っている。

アイバーソンとルーはこの数年後に親友となり、ルーは引退後も「アイバーソンに跨がれた人」として声をかけられることがあるという。アイバーソンとの一件がルーのキャリアにおける大きなターニングポイントとなり、彼に抜群の知名度を与えたことは間違いない。

アイバーソンの遺産

アレン・アイバーソンは、その不屈の精神と激しいプレースタイルで、多くのファンと選手たちに影響を与えた。彼のように小柄な選手が、NBAの最高峰で戦い続けることができたのは、彼の並外れた闘志と努力の賜物だ。

アイバーソンのキャリアは、栄光と苦難が入り混じったものだったが、彼がコート上で見せた情熱と献身は、永遠にNBAの歴史に刻まれるだろう。彼が残した遺産は、単なる得点や勝利の記録だけでなく、決して諦めない心と、どんな逆境にも立ち向かう勇気そのものだ。

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