551‐ダーク・ノビツキー
マッチアップした相手との見えない壁を作り出すダーク・ノビツキーのシグネチャー・ムーブ、「ワンレッグ・フェイドアウェイ」。
長距離砲を自在に沈める正確無比なシュート力を兼備した『シュート型PF』の最高峰は、213㎝とセンター級のサイズながら、ミドル~3Pまで難なく沈める広いシュートレンジを持つ。
それまでのビッグマンのプレーと違い、アウトサイドでプレーできる。
これこそがノビツキーの最大の特徴だった。
とりわけミドルレンジで繰り出すワンレッグ・フェイダウェイ・ジャンパーは高打点で高確率。
加えてポストプレーからのドライブでペイントエリアへ侵入し、フィニッシュも可能。
ディフィンダーも距離を詰めづらいとあって、リーグでもアンストッパブルなシグネチャー・ムーブとして恐れられた。
また、シュートの弾道の高さも止められない理由だった。
ノビツキーはキャリアの80%がジャンプシュートで、その精度も驚異的だ。
その中で Fade Away は12%強。
少なく感じるけど、成功率は50%を超えている。
まともに対峙しても止められないためファウルしたしても、高精度のフリースローで着実に得点を積み重ねる。
もちろんキャリア初期の頃は「ソフト」と揶揄されることも少なくなかったが、キャリアを重ねるごとにその印象を脱し、マブスに球団初の優勝をもたらした。
その特有のプレースタイルは旧来のインサイドを主体とするPF像を一変させ、多くのプレーヤー、特にビッグマンに影響を与えた。
現在のNBAでは、ビッグマンでもアウトサイドでのプレーは必須となりつつあり、3Pを打つセンターも当たり前になってきた。
ビッグマンの3Pを武器にまで昇華したのは、間違いなくノビツキーの功績であり、自身のシグネチャームーブ「ワンレッグ・フェイダウェイ」と共にNBAの歴史に名を刻んだ。
追伸、NBA選手はもちろん、日本の高校生の試合でも観ることが多くなってきたムーブだ。
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