537-カイリー・アービング
レブロンに見捨てられたショックから立ち直れないキャブスは、わずか19勝。
26連敗という不名誉なNBA記録も残し、チームのシーズンチケットの売り上げも60%ダウンと大打撃を受けた。
そこにデューク大でわずか11試合しか出場していなかったカイリー・アービングがドラフト1位指名で入団する。
アービングは左右どちらの手でも巧みにボールを操り、優れたドリブルで積極的にリングに攻め込み、DFのバランスを崩す。
若いガードが苦手としがちなミドルジャンパーを含めて、コートのどこからでも効果的に得点していた。
さらに1年目から意欲的にビッグショットを引き受け、勝敗がかかる重大局面を恐れない態度に当時のHCバイロン・スコットが語る。
「カイリーは確かに若いがビッグショットを恐れない。クローザーがいるのは実に頼もしい。教えてできることではないからね」。
だからこそ輝く205-16シーズンのNBAファイナル。
リーグ新記録の73勝を挙げたウォリアーズに対し、キャブスは1勝3敗から2連勝。
第7戦は緊迫のロースコアとなり、残り4分39秒には89対89と互いに一歩も引かない展開となる。
この激闘に終止符を打ったのが、当時5年目のカイリー・アービングだった。
3分半もの間、両チーム無得点で迎えた残り53秒。
強心臓の24歳は、カリーとの1on1から決勝の3ポイントをヒット。
球団初優勝、さらにはファイナル史上初の大逆転劇に導いてみせた。
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