「言葉では言い表せないね。俺がこのチームに来ると決めた時に抱いていたビジョンは、ほとんど現実のものになった。」

2連覇を達成した当時のインタビューの記事から。

記者-「NBAの世界に足を踏み入れてから、すでに10年が経った。ここまで長く感じた?それともまだスタートしたばかりって感じかな?」

LB-「あっという間の10年間だったね。精神的にも肉体的にも、この10年はずっと素晴らしい状態を保ってこれたし、これからも今まで以上のパフォーマンスを見せられると思うよ」。

ティム・ダンカン マヌ・ジノビリ、トニー・パーカーのビッグ3に加えてこのシーズンは2年目のレナードが台頭。

その他ディアゴ・スプリッターやボリス・ディオウ、パティ・ミルズ、コーリー・ジョセフら、国際色豊かなメンバーが、グレッグ・ポポビッチヘッドコーチの下で躍動。

ベテランと若手がバランスよく揃い、久々の優勝に向けて準備万端だった。

そしてスパーズが大手をかけて迎えた第6戦、ファイナル史に残る名場面が生まれた。

第4クォーター残り28.2秒、状況はヒートが5点ビハインド。

スパーズの優勝はほぼ決定的で、リーグ関係者がセレモニーに向けて黄色いテープを準備し始めた。

その直後、レブロンが3 ポイントを決めて2点差に。

レナードがファールゲームで得たフリースローを1本決め、続くヒートのポジション。

レブロンが同点を狙い再びスリーポイントを放つ。

無常にもリングに弾かれ、万事休すかと思いきや、ボッシュがリバウンドをつかみ取ると、バックステップで右コーナーへ移動するレイ・アレンへパス。

残り5.2秒、稀代のシューターは試合を振り出しに戻す同点弾を突き刺した。

スパーズのミスは3ポイントを防ぐべく、ペリメーターディフェンスを固めるため、リバウンダーのダンカンをベンチに下げていたこと。

勢いそのままにヒートは延長線を制すと、第7戦にも勝利し連覇を飾る。

ファイナルMVPには平均25.3点、10.9リバウンド、7.0アシストを記録したレブロンが2年連続で輝いた。

この時、大半の人々がこう思ったはずだ。

同じビッグ3を要するチームでも、全員がベテランのスパーズはこれが現体制で狙えた最後の優勝のチャンスであり、一方でキャリア絶頂期の同期3人が集まったヒートは揺るぎない王朝を建国していくのだろうと、、、。

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