2006NBAファイナルで、3年目の若きドゥエイン・ウェイドがエースとして大爆発。

球団創設18年目で初の最終決戦へと駒を進めたマイアミ・ヒート。

ダラス・マーベリックスも初めてのファイナル進出となり、35年ぶりとなる初出場同士の対戦で、先手を取ったのは前評判が高かったマブス。

ジェイソン・テリー、ダーク・ノビツキーらが活躍し、ホームで2連勝を飾る。

しかし以降の試合はヒートの、いや、ドウェイン・ウェイドの独壇場となった。

場所をマイアミに移した第3戦、第4Q残り6分34秒で13点差をつけていたマブスが3勝0敗で王手をかけるのは間違いないように見えた。

ところが、1人だけギブアップしない選手がいた。

ドゥエイン・ウェイドである。

ウェイドはウィルス性のカゼで体調を崩し、ファイナル大1戦前日も会見は鼻声で、練習に向かうときは左手にティッシュの箱を抱えていた。

その上、 この試合で第3Qに尻餅をついたシャックに乗りかかられ、ひざを痛めた。

おまけに第4Qが始まった直後に5つ目のファウルを喫し、ファウルトラブルに陥っていた。

だがピンチになればなるほど、ウェイドは落ち着きを見せた。

ボールを持つと、ディフェンスをかいくぐり、ジャンプシュート、レイアップと次々に決めていく。

そして点差を、11、9、8、5、3、1と詰めていく。

静まり返っていたマイアミのアメリカンエアラインズ・アリーナが徐々に騒がしくなり、チームメイトの顔にも生気が蘇る。

フリースローが苦手なシャックがフリースローを決め、 残り9.3秒、ゲイリー・ペイトンが右45度からこの日、唯一の値千金の勝ち越しジャンパーをヒット。

その後、ノビツキーが残り3.4秒で2本決めれば同点となったフリースローを1本ミスして勝負は決した。

奇跡的な逆転勝利である。

パット・ライリーHCは「うちはぬかるみに足をとられて全く動けなくなっていた。そんな状況のなか、ウェイドが疲労もケガも乗り越え、1人でチームを引っ張ってくれた。 後は単純に彼にすべてを任せた。次から次へとシュートを決めてくれたよ」とヒーローを称える。

シリーズの流れを変えたウェイドは42得点、13リバウンドと爆発。

若きエースは「このシリーズ中、今日は一番体調がよかった。声も(鼻声でなく)きちん出ているでしょう」と笑顔を見せている。

勢いに乗ったヒートはそのまま4連勝を飾り、6戦でマブスを下し、球団初優勝。

0勝2敗からのリーグ制覇は69年のセルティックス、77年のブレイザーズに次ぐ、史上3例目の快挙でファイナルMVPには平均34.7点を叩き出したウェイドが選ばれた。

マブスのエイブリー・ジョンソンHCは4連敗に表情が青ざめていた。

だが、ウェイドについては彼も称えるしかなかった。

「ドゥエインのプレーは教えられるものではない。ダブルチームを抜け出し、トリプルチームを破り、何よりも彼のプレーヤーとして上を目指す意志の強さが印象的だった」と舌をまいた。

追伸、マブスには油断があったかもしれない。

マブスはマイアミのダウンタウンの高級ホテルに滞在していたのだが、一部の選手が試合の前日、朝方まで遊び歩いていて、ジョンソンHCに見つかった。

コーチは怒って、急遽ホテルを郊外のフォ ートローダーデールに移している。

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