NBAポスターコラム183:ビル・ラッセルとウィルト・チェンバレン──もう二度と現れない“22本超の男たち”…。

NBAポスターコラム
183-THE MEMBER OF GHEAT DYNASTY

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ビル・ラッセルとウィルト・チェンバレン──リバウンドという「更新されない記録」

絶対王者・ビル・ラッセルの存在感

NBAの長い歴史の中で、ビル・ラッセルほど「勝利」と強く結びついた選手はいない。
1956年にボストン・セルティックスへ加入して以降、ラッセルは13年間で11度の優勝
そのうち**8連覇(1959〜1966)**という偉業は、いまだに誰も到達できていない。

ラッセルが担った役割は明快だ。
得点王でもアシスト王でもない。
彼は“守備とリバウンドで勝つ”というチーム哲学の象徴だった。

ディフェンスで相手の攻撃を止め、リバウンドで流れを引き寄せる。
そして味方に正確な outlet パスを出すことで、ボストンの速攻を生み出した。
数字で見れば地味かもしれないが、勝敗への影響は圧倒的だった。

「チームの心臓」としてのリーダーシップ

ラッセルの価値はスタッツを超えていた。
彼が出場しているだけで、セルティックスは安心して守れる。
それは彼の指揮官のような存在感によるものだった。

1950〜60年代のNBAは今のようなディフェンスシステムが確立していなかった。
そんな中でラッセルは、守備のローテーションやヘルプの概念をチームに浸透させ、
味方に指示を飛ばしながらコート全体を統率していた。

まさに選手兼コーチ
実際、キャリア後半には選手兼任ヘッドコーチも務め、NBA史上初の黒人ヘッドコーチとしてチームを優勝へ導いている。

驚異のリバウンド力とスタミナ

キャリア通算の平均リバウンド数は22.5本
これは歴代2位で、1位は後述のウィルト・チェンバレンの22.9本
つまり、NBAのリバウンド史はこの2人の時代によってほぼ独占されている。

さらにラッセルの平均出場時間42.3分という数字は尋常じゃない。
当時は48分制(延長なし)のため、ほぼフル出場に近い。
しかも現代のようにタイムマネジメントや休養の概念がない時代にだ。

そのスタミナと集中力は、まさに鉄人。
プレーの激しさ、試合数、そしてフィジカルな環境を考えれば、この記録がいかに“人間離れ”しているかが分かる。

ウィルト・チェンバレンという「異次元の比較対象」

ラッセルと同時代に君臨したのが、ウィルト・チェンバレン。
“100点ゲーム”で知られるように、彼はまさに圧倒的個の象徴だった。

キャリア平均リバウンド22.9本、出場時間45.8分
どちらもラッセルを上回る。
ただし、勝利という観点ではラッセルに軍配が上がる。

チェンバレンは個人成績で神話を作り、ラッセルは勝利で伝説を築いた。
この対比こそ、60年代NBAの本質だった。

“勝者”としてのラッセル、“支配者”としてのチェンバレン

ラッセルとチェンバレンの対決は142回。
そのうちラッセルが勝ったのは85回
プレーオフではさらに差が開き、ラッセルの勝率は約7割に達する。

リバウンドではチェンバレンがわずかに上。
しかし試合の流れを読む力、チームをまとめる力、勝利を最優先するメンタリティではラッセルが圧倒していた。

「俺が欲しいのはリバウンド数じゃない。勝利数だ。」
ラッセルはそう語っている。
この一言が、彼のキャリアのすべてを物語る。

現代では絶対に更新されない“二人の数字”

リバウンド平均22本超──。
今のNBAでは想像もつかない数字だ。
現代最高峰のリバウンダーでも、せいぜい15本前後。
試合ペースやポゼッション数、シュートの傾向、さらにはローテーション制による出場時間の制限など、
環境そのものが違う。

ラッセルとチェンバレンの時代は、シュート成功率が低く、リバウンド機会が多かった
だがそれを差し引いても、彼らのスタミナと集中力は異常だった。

1試合あたり40分以上出場し続け、40分以上リバウンド争いに絡み続ける。
それを13〜14シーズン積み上げて平均22本。
更新どころか、再現すら困難だ。

チームの「柱」としての意味

ラッセルは得点よりも「チームの安定」を最優先した。
ミスを恐れず、味方を信じ、誰かが崩れても冷静に支える。
まさにフランチャイズ・プレーヤーの原型だった。

セルティックスというブランドは、ラッセルが築いた勝利文化の上に立っている。
そのDNAはラリー・バードやポール・ピアース、そして現在のジェイソン・テイタムにも脈々と受け継がれている。

まとめ:更新されない「勝利と献身の記録」

NBAが100年を迎えても、ビル・ラッセルとウィルト・チェンバレンのリバウンド平均を超える選手はおそらく現れないだろう。

22本超のリバウンド。
40分超の出場時間。
そして、チームを勝たせ続ける精神力。

それは単なるスタッツではなく、時代そのものの象徴だ。

ビル・ラッセルの11回の優勝、5度のMVP、そして無数の勝利の裏には、
「数字以上の存在感」が確かにあった。

リバウンドを制する者が試合を制す。
その真理を体現したのが、ビル・ラッセルという男だった。

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