ドラフトロッタリー指名なしで頂点に立った初めてのチーム。

シーズンオフにカワイ・レナードが無償で出て行ってしまうことを考慮したチームは、レナードの体調に気を配り、マネジメントを徹底して是が非でもこの年に優勝をしておきたかった。

この時のラプターズは選手の補強が的確で、シーズン中にもトレードでマルク・ガソルを獲得。

プレーオフでのジョエル・エンビード、ヤニス・アデトクンボ対策として功を奏した。

一方、ウエストではウォリアーズが順調に各ラウンドを制していったが、 これまでの勤続疲労もあったのか、主力が相次いでケガに見舞われた。

カンファレンス準決勝でカリーが左手中指を脱臼し、デュラントは右ふくらはぎの肉離れ。

続く同決勝ではアンドレ・ イグダーラも左ふくらはぎを負傷と、 満身創痍でラプターズとの頂上決戦に臨むことを余儀なくされた。

それでも前評判は経験と実績のあるウォリアーズだった。

しかし、ファイナルの舞台でも、ウォリアーズはケガに悩まされる。

第5戦で久々に復帰したデュラントが、試合序盤に右足を痛めて離脱。

2日後にはアキレス腱断裂だったことが判明した。

続く第6戦ではトンプソンがダンクをした着地の際に、左ヒザを痛めてコートを去った。

こちらも後に前十字靭帯断裂の大ケガだったことが明らかに。

盟友が倒れ込んだ際、すべてを察したカリーは思わずコートに座り込んでしまったほどだった。

そんな傷だらけのウォリアーズとは 対照的に、ラプターズは主砲レナードからガソル、ラウリーらベテラン陣、若いパスカル・シアカムまで、主力が揃って躍動。

特にレナードはシリーズ平均28・5点、 9・8リバウンドと大車輪の働きを見せ、チームを初の頂点に導く。

スパーズ在籍時の14年以来、2度目のファイナルMVPも受賞。

異なる球団で受賞したのは、カリーム・アブドゥル・ジ ヤバー(元レイカーズほか)、レブロンに次ぐ史上3人目の快挙だった。

そしてイースタン、ウエスタンのチームに在籍してファイナルMVPを獲得した初めての選手のもなった。

カナダに本拠地を置くチームとしては初の快挙に、母国のファンも沸いた。

トロントで行なわれた第1戦は平均330万人が視聴し、カナダ史上最も視聴されたNBAの試合に。

その後のゲームでも順調に視聴者数を伸ばし続け、 最終第6戦では平均770万人まで達している。

アメリカ国内の視聴率も序盤こそ芳しくなかったが、シリーズを追うごとに数字を伸ばしていった。

後日行なわれた優勝パレードには、 約200万人が詰めかけたとされている。

追伸、ファイナルを勝利し「俺は優勝トロフィーを手に入れるためにプレーしている。夏の間、シーズン中もずっとワークアウトしてきたから、その努力が報われて最高さ」とカワイ・レナード。

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