1998年にクリス・ウェバーを獲得して以来、様々な紆余曲折を経て「ドアマットチーム」から「優勝候補」へと着実に変貌を遂げたサクラメントキングス・キングス。
“Tum around” その当時の様子をウェバーはそんな言葉で短く表現する。
新生キングスのスタート間もない頃、レイカーズからウェバーのトレードの申し入れがあった。
条件はエディー・ジョーンズとエルデン・キャンベル。
傍目には悪くないトレードに思われたが、キングスはウェバーを主軸としたプランを遂行。
サクラメントからの脱出を図っていたウェバーと球団は一時険悪の雰囲気になった。
一方でチームの上昇気運も肌で感じていたという。
「最悪のチームが“Tum around”し始めたんだ チームにも勝つという共通の意識が芽生え始めたんだ」。
そのウェバーの認識通りキングスは1998-99年のショートシーズン、4年ぶりにプレーオフに進む。
1回戦でジャズに敗れたものの展開は予想に反し接戦。
最終戦はシリーズ2度目のオーバータイムまでもつれ込んだ。
これである程度「手応え」を感じた。
その翌年は第8シードでプレーオフに進み、NBAチャンピオンになったレイカーズに敗れるのだが、前年同様、ゲーム5まで王者を引きずり込む。
2000年初頭、レイカーズとのライバル関係が始まった。
それでも当時キングスは「プレーオフで絶対勝てない」とも言われた。
決定的なウィークポイントは「ディフェンス」。
1999-2000シーズン、確かにキングスはリーグナンバーワンの得点力を武器に快進撃を遂げた。
なのにディフェンスが失点はリーグワースト3位という体たらく。
ディフェンスを学ばない限りチームには限界があるとレッテルを貼られ、ウェバーは「ディフェンスが弱いと言われるが、俺たちのオフェンスを止められるチームがあるのか」と反論も試みたが、聞く耳を持つ評論家はいなかった。
ただ球団社長のペトリーの動きは素早かった。
00年8月にはFAのボビー・ジャクソンと契約。
9月にはラプターズからダグ・クリスティーをトレードで獲得してあっという間にリーグでも有数のディフェンシブ・バックコートを作ってしまった。
また同年8月には頭角を現し始めたプレドラグ・ストヤコビッチとの契約延長に成功してチームの基礎を作っている。
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