マイケル・ジョーダン最後のオールスターの回顧録。

02-03シーズンオールスター、ジョーダンの「ザ・ショット」は、結果的にウエストが試合に勝利してことで幻となってしまうが、人々にジョーダンの“凄み”を思い起こさせるには十分だった。

ジョーダンにとって最後のオールスターは「真剣勝負がしたかった」というジョーダンの心中を察して東西両軍ともにオールスターには珍しく気合いのこもったプレーを続けた。

接戦で迎えた後半終了寸前には、ジョーダンが逆転ブザービーターを狙うも失敗。

オーバータイムに突入する。

オーバータイム残り10数秒となったところでもスコアを136-136の同点。

そしてジョーダンの手にボールが渡る。

右サイドでボールを受け取ったジョーダンはマッチアップのショーン・マリオンと対峙。

終了時間が刻一刻と迫る張り詰めた空気の中、ジョーダンはドライブインを試みる。

だが抜けきれない。

すると素早くリングの方向へ身体を向け、残り4.8秒でフェイドアウェイ・ジャンパーを放った。

マリオンが懸命に伸ばした左腕を、いつもよりも高いアーチでかわし、すり抜けたボールは見事にリングの真ん中に吸い込まれる。

イーストの逆転。会場の興奮が一気に爆発した。

身体能力は落ちても、身につけた技術は錆び付かない、まさに伝家の宝刀だった。

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