ーNBAでドラフト前から4チームを渡り歩きながら6年目を迎えることができた。その意義についてご自身はどのように受け止めていますかー
「昨季のネッツの1シーズンで自分が本当の意味でNBA選手になれたような気がしたんです。それまではNBA選手という肩書きはあるけど、自分の心の中でどこか少し自信が持てないでいたというか、何か足りていない部分があったんですが、昨季チームにしっかり貢献して数字の部分でもしっかり残せるようになって、自分に自信がついたので、そういう意味では今季は一番自信を持って迎えられているシーズンではありますね」。
ー過去5シーズンを通して最も成長している部分と、今後伸ばしたいと思う部分について技術面、精神面それぞれどう感じていますかー
「技術面に関しては3Pは自分にとって大きな武器になったことが一番、というのは間違いないと思います。昨シーズンは一時期リーグ1位になるくらいの高確率で決められたことが何よりも大きいですね。自信がついたことによって、多少外したりしても気にせず『次打てば入る』というくらいの感覚で思い切ってシュートを打つことができるので、技術面でも精神面でも本当に成長した部分だと思います。苦い経験もたくさんしてきましたが、今までもやり続けることによって結果を出してきましたし、自分にとって一番単純な解決策を自分でわかってることが気持ち的に大きいと思っています」。
ー常にご自身に高いハードルを課していますよねー
「現状維持は一番したくないと思っているので、いい選手がどんどん入ってくるこの世界にいる以上は、まだまだ成長が必要だと感じていますし、高い目標を設定してそれをクリアできるくらいの結果をしっかり残したいなと思っています」。
「今の自分はノンギャランティーの選手じゃないと思っているし、部分保証ですらないと思っています。来季に向けて最低でも1年保証をもらえる選手だと思っています」by渡邊雄太
前年の活躍により一躍人気銘柄となった渡邊とはいえ、現実的に主要FAが去就を決めた後 、その脇を固める選手として 7月中旬ごろに所属先が決まると思われていた。ところが蓋を開けてみれば交渉解禁日の6月30日早々にサンズと契約合意。それも2年。金額こそミニマムだが初となる完全保証での複数年契約で2シーズン目はプレイヤーオプション付きというタイミングだった。 本人曰く 10球団以上が興味を示した中で最も熱量があったサンズとの契約を決断するのにそう時間はかからなかったという。ネッツで信頼関係を築き上げた デKDに加え、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールらを要するスター軍団は紛れもなく今季の優勝候補。幾度となく訪れた苦境を乗り越え続けてきたこれまでのキャリアが、日本人選手初のチャンピオンリング獲得という形で報われる日が来るのはそう遠くないのかもしれない。
「今はお金じゃなくて自分のやりたい場所でプレイするのが大事。今まで自分がやってきた 努力、方向性は間違いではなかったと改めて感じました」と、サンズ契約時のリモート会見でコメントしている。
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