ポスト・ジョーダンのNBA、、、個人技の怪物たちが支配した時代とは、、、。

ポスト・ジョーダンの時代と「個人技の時代」

マイケル・ジョーダンの影とNBAの変化

80年代後半から90年代にかけて、NBAはマイケル・ジョーダンという唯一無二のスーパースターを中心に回っていた。シカゴ・ブルズで6度の優勝を果たし、圧倒的な得点力と華麗なプレースタイルで世界中のファンを魅了した。NBAは彼によってグローバルなエンターテイメントへと変貌を遂げた。

しかし、1998年のジョーダン引退(2度目)後、リーグは「ポスト・ジョーダン」の時代に突入する。ジョーダンの後継者を探す声が多く聞かれたが、実際にはNBAはより原始的な「個人技の時代」へと移行していた。

個人技の時代の到来

ジョーダンの時代には、チームバスケットの中で個の力を活かすプレースタイルが重視されていた。しかし、ポスト・ジョーダンの時代には、選手たちがより個人技を前面に押し出すスタイルへと変化した。

この変化の要因の一つに、NBAのチーム数増加がある。リーグの拡張に伴い、新しいチームが増えたことで、選手のレベルには格差が生まれた。その結果、トッププレイヤーたちは相手を一対一で圧倒できるようになり、より「個」の力が求められる時代になった。

新・超人たちの台頭

ジョーダン引退後のNBAには、それぞれ独自の個性を持つスター選手たちが登場した。彼らはジョーダンの影を乗り越え、自らのアイデンティティを築き上げていった。

アレン・アイバーソン – 「点取り屋」

アイバーソンは180cmとNBAでは小柄ながら、爆発的なスコアリング能力を誇るガードだった。クロスオーバーを駆使し、ディフェンダーを翻弄するスタイルは、多くの若者に影響を与えた。特に2001年のNBAファイナルで、シャック&コービー率いるレイカーズ相手に初戦で48得点を記録した試合は伝説となっている。

ビンス・カーター – 「ダンクマスター」

カーターは圧倒的な跳躍力とダンク力を持ち、「Vinsanity」と称された。2000年のダンクコンテストでは、空中でのダブルクラッチや肘をリングに入れるダンクを披露し、観客を熱狂させた。ポスト・ジョーダンの時代において、最もエキサイティングな選手の一人だった。

シャキール・オニール – 「ドミネイター」

シャックはジョーダンとは異なる形でNBAを支配した。圧倒的な体格とパワーを活かし、ペイントエリアを制圧。レイカーズで3連覇を果たし、「ポスト・ジョーダン時代の王」とも言える存在だった。

ケビン・ガーネット – 「オールラウンダー」

ガーネットは、ビッグマンながらも俊敏で、オフェンスからディフェンスまで何でもこなせる万能選手だった。特にミネソタ・ティンバーウルブズ時代は、チームを一人で支える存在となり、のちにセルティックスでチャンピオンリングを獲得した。

ティム・ダンカン – 「勝者」

ダンカンは派手さこそなかったが、冷静沈着なプレースタイルでスパーズを5度の優勝へ導いた。ポスト・ジョーダン時代における最も成功した選手の一人であり、「ビッグ・ファンダメンタル」としてその安定感は群を抜いていた。

ジェイソン・ウィリアムズ – 「エンターテイナー」

「ホワイト・チョコレート」の異名を持つウィリアムズは、トリッキーなパスやボールハンドリングで観客を魅了した。彼のプレーは、ストリートバスケの要素を取り入れた革新的なもので、バスケットボールをショーとして楽しませてくれた。

ゲイリー・ペイトン – 「トラッシュ・トーカー」

ペイトンはディフェンスの名手でありながら、相手を心理戦で揺さぶる「トラッシュ・トーク」の名手としても知られていた。彼のディフェンスは、ジョーダンさえも苦しめたことで有名で、ポスト・ジョーダン時代でも強烈な存在感を放った。

コービー・ブライアント – 「NBAのアイコン」

最終的に、「ポスト・ジョーダン時代の真のアイコン」となったのは、コービー・ブライアントだった。彼はジョーダンに最も近いプレースタイルを持ち、勝利への執念やメンタリティもジョーダンを彷彿とさせた。レイカーズで5度の優勝を果たし、NBAの新たな象徴となった。

まとめ – ポスト・ジョーダンの時代の意義

ジョーダン引退後、NBAは「個人技の時代」に突入し、様々なスタイルを持つスター選手が台頭した。アイバーソンのスコアリング、カーターのダンク、シャックのパワー、ガーネットの万能性、ダンカンの勝者のメンタリティ――彼らはそれぞれが異なる形でリーグを支配した。

しかし、その中でも最もジョーダンの後継者として認められたのはコービー・ブライアントだった。彼はジョーダンと比較されながらも、最終的には自身の道を切り開き、NBAの象徴的存在となった。

ポスト・ジョーダン時代は、まさに「新・超人たちの時代」と言える。個の力が際立ち、選手たちはそれぞれのスタイルでNBAを彩った。この時代を経て、NBAは新たな時代へと移行していったのだった。

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