あと一歩で掴み損ねた栄光…1999-2000シーズンのブレイザーズの忘れられない結末とは?

ブライアン・グラントと1999-2000シーズンのポートランド・ブレイザーズ

昔ながらのパワーフォワード、ブライアン・グラント

ブライアン・グラントは、1990年代から2000年代初頭にかけて活躍したNBAの伝説的なパワーフォワードだ。ゴール下での体を張ったプレー、リバウンド争い、そしてチームに不可欠な汚れ仕事を一手に引き受けるその姿勢は、ファンのみならずチームメイトからも信頼されていた。彼のプレースタイルは、今日のNBAでは希少になりつつある、いわゆる「ブルーワーカー」の典型だった。

グラントのキャリアハイライトは、1999-2000シーズンのポートランド・トレイルブレイザーズでの活躍だ。このシーズン、ブレイザーズはリーグでも屈指の強豪チームとして優勝候補に名を連ねたが、その成功の鍵となった一人が、まさにこのブライアン・グラントだった。

1999-2000シーズンのポートランド・ブレイザーズの背景

1999-2000シーズンのブレイザーズは、個性豊かな選手たちが揃ったチームだった。まず注目すべきは、才能に溢れながらも精神的にムラがあることで知られるラシード・ウォレスだ。彼はブレイザーズのオフェンスとディフェンス両方の要であり、時には爆発的なパフォーマンスを見せることもあったが、一方で感情の起伏が激しく、テクニカルファウルも多かった。

次に、元ソビエト連邦代表であり、NBA屈指のセンターであるアルビダス・サボニス。彼はその巨体からは想像できないほどの器用さを持ち合わせ、インサイドだけでなくアウトサイドでもプレーできる多才な選手だった。さらに、1996年の新人王を獲得したデイモン・スタウダマイヤーも加わり、ブレイザーズは多彩なオフェンスオプションを持つチームとなった。

そして忘れてはならないのがブライアン・グラントだ。彼はそのドレッドヘアとともに、典型的なブルーワーカーとしてチームの基盤を支えた。グラントはリバウンドやディフェンスにおいて欠かせない存在であり、彼のハードワークはチーム全体に大きな影響を与えた。

新たに加わった実力者たち

1999-2000シーズン、ブレイザーズはさらなる戦力強化を図った。この年、6度のNBA優勝を経験したスコッティ・ピペンがブルズから移籍してきたことは大きな話題となった。ピペンはその豊富な経験とディフェンス力で、チームに安定感をもたらした。また、リーグ随一のシューティングガードであるスティーブ・スミスも加わり、ブレイザーズのオフェンスはさらに強力になった。さらに、万能フォワードのデトレフ・シュレンプも加わり、ブレイザーズはまさに「オールスター級」の布陣を揃えることとなった。

レギュラーシーズンとプレーオフの快進撃

このシーズン、ブレイザーズはレギュラーシーズンで59勝を挙げ、ウェスタン・カンファレンスの上位に位置した。1回戦ではミネソタ・ティンバーウルブズを圧倒し、次のカンファレンス準決勝ではカール・マローン、ジョン・ストックトン、ジェフ・ホーナセックらベテランが揃うユタ・ジャズを4勝1敗で下した。

そして迎えたカンファレンス決勝。相手は、当時NBA屈指の強豪チームであったロサンゼルス・レイカーズだ。この頃のNBAは西高東低と言われており、西の強豪チーム同士の対戦は「事実上のファイナル」と称されることが多かった。このシリーズもまさにその一つだった。

伝説のカンファレンス決勝第7戦

ブレイザーズとレイカーズのカンファレンス決勝は、まさに死闘と言えるシリーズとなった。試合は第7戦までもつれ込み、最終戦は激しい攻防が繰り広げられた。そして試合は第4クォーター残り10分28秒の時点で、ブレイザーズが75対60と15点のリードを奪っていた。

しかし、ここから試合は一変する。ブレイザーズは13本連続でシュートを外し、その間にレイカーズが逆転に成功。試合を決定づけたのは、コービー・ブライアントからシャキール・オニールへのアリウープだ。このプレーは今でもNBAファンの間で語り継がれる名場面となっている。結局、ブレイザーズはあと一勝のところでファイナル進出を逃し、無念の敗退となった。

ブレイザーズの評価とその後の展開

この1999-2000シーズンのブレイザーズは、最終的に優勝には届かなかったが、当時のシャック&コービー率いるレイカーズをもっとも追い詰めたチームであることは間違いない。その後、レイカーズは3連覇を達成し、NBA史上屈指の強豪チームとして名を刻むことになるが、ブレイザーズがその道のりで最大の障害であったことは広く認識されている。

ブライアン・グラントをはじめとするこの時期のブレイザーズは、勝利のために全力を尽くし、ファンに多くの感動を与えた。彼らの戦いは、単なる結果以上に、その過程や姿勢で多くの人々の心に残り続けている。

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