類まれなる才能をライバルとの共闘に使うことにした“キング”・ジェームス。
レブロン・ジェームズの「The Decision」
2010年の夏、NBAは一つの大きな出来事に揺れた。それが、レブロン・ジェームズによる移籍発表「The Decision」だ。レブロンはテレビ番組で自身の移籍先を発表するという前代未聞の形で、クリーブランド・キャバリアーズからマイアミ・ヒートへの移籍を決定。この一連の行動が大きな波紋を呼んだ。
エンタメ化された移籍発表への批判
「The Decision」は、単なる移籍発表を超えて、エンターテインメントとしての側面を強調したものだった。この形式に対して、多くの人々が批判的な視線を向けた。特に、地元クリーブランドを捨てた行為に対する反発は激しく、SNS上ではレブロンのジャージーが燃やされる過激な映像が数多く投稿された。
キャブズオーナーの反発
番組開始のわずか数分前にレブロンの移籍を知らされたキャバリアーズのオーナー、ダン・ギルバートも激怒。彼はレブロンを「利己的」「冷酷」「卑怯な裏切り」と非難するコメントを発表した。この結果、多くのアンチがレブロンに対して生まれることとなった。
ポジティブな面は注目されず
「The Decision」は多くの視聴者を集め、その収益の約600万ドルが様々な団体に寄付された。しかし、当時はこのポジティブな面にはほとんど注目が集まらなかった。
マイケル・ジョーダンの見解
レブロンが憧れたマイケル・ジョーダンもこの移籍劇にコメントした。「ライバルと連絡を取り合って一緒に戦うより、彼らを倒したいと思う」と語り、かつての競争心を強調する一方で、「悪いこととは言えない。今の選手たちにはチャンスがあるから」と、時代の違いを認識し、一定の理解も示した。
ビッグ3誕生のインパクト
レブロン、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュの3人がマイアミ・ヒートに集結し、いわゆる「スリー・キングス」が誕生した。このスーパーチームの誕生はNBAにとって巨大なインパクトをもたらした。2010年オフは「レブロンの夏」と称され、彼の去就が注目の的となった。
スーパーチーム化の加速
「スリー・キングス」の誕生以降、NBAではスーパーチーム化の流れが加速。これが他のチームにも影響を与え、リーグ全体でスター選手の集結が進むこととなった。このように、レブロンの移籍劇はNBAの歴史における重要なターニングポイントとなり、その影響は現在も続いている。
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