得点とリバウンドで毎年20-10のダブル・ダブルの成績をあげるリーグ屈指のPFだったエルトン・ブランド。

強靭な体と長い腕を生かしたリバウンド&ブロックで貢献するクリッパーズの元エース。

ルーキー時から5年連続で得点とリバウンドの平均で、ダブルダブルをマークする屈指の安定感と信頼感があり、バスケットに背を向けての得点力はトップクラス。

サイズが足りない分を体力とやる気で補うブランドはオフェンスリバウンドに強かった。

そんなブランドだが、レギュラーシーズンを終えたと同時に自らのシーズンも終える。

それがブランドのキャリアの”お決まり!! だった。

ブルズでの2年間は「エゴ(自我)のない選手ばかりだったけれど、勝てる才能が揃っていなかった」と言う。

自身はオールスターに選ばれ、チームUSAのメンバーにもなったが、プレーオフだけは未知の世界だった。

そしてクリッパーズにトレードで移籍した3年目からは、若いが才能のあるチームメイトに恵まれた。

だが今度は「エゴが発生したときもあった」とのこと。

だが、カセール、モーブリーらベテランを得たプロ7年目にして、未知の世界への扉を開けた。

「僕にとってすべてが新たな経験」とは語ったが、ブランドはもう何年もプレーオフを経験したベテランのようにプレーした。

カンファレンス準決勝のサンズ戦では、ダブルチームやトリプルチームをものともせず、オフに向上させた中距離シユートを決めた。

ダブルチームを受けた際には好アシストで対処し、DFではナッシュへのダブルチーム、ペネトレイトで攻めてくる選手には、タイミングを合わせてブロックで片付けた。

そしてリバウンドを奪うなど、すべての仕事をこなした。

「相手がどんな守備で立ち向かってこようが、チームのために受けて立つ」。

ブランドはそう話した。

接戦を制した第4戦も、大激戦を落とした第5戦も、大事な得点の場面では、ブランドが何らかの形で絡んでいた。

「ここで自分が何とかしなければ」というリーダーとしての意識が常に働いていたからだ。

「初めてのプレーオフなのに緊張しないね」と問われると「未知の世界であることに変わりない」とごまかしたが、緊張する暇などなかったというのが本音であろう。

プレーオフ期間中にはオールNBAセカンドチーム入りという朗報も届いたが、「個人の成功はチームの成功についてくるもの」とキッパリ。

エゴのないリーダーは、チームの成功だけを見据えていた。

追伸、この頃のクリッパーズはオフになると有望若手FAの流出が恒例だったが、ドケチオーナー率いるクリッパーズの歴史では珍しく、6年間8200万ドル(90億円)の高額契約を結んだ。

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