2020-21シーズン新型コロナの影響による変則日程の果てにミルウォーキー・バックスを50年ぶりの栄冠に導いたヤニス・アデトクンボ。

ファイナルに勝ち上がったのはフェニックス・サンズとミルウォーキー・バックス。

どちらも球団史上3度目でサンズは28年ぶり、バックスに至っては47年ぶりと両チームとも久々のファイナル進出となった。

シーズン中の対戦はサンズの2戦2勝だったが、2試合とも1点差で特に2戦目はオーバータイムにもつれる大接戦。

そんな実力が拮抗した両チームによる頂上決戦は、第4戦まではどちらもホームで勝利し、2勝2敗と前評判通りの互角の展開が続くが、フェニックスでの第5戦がシリーズの明暗を分けることになる。

第1Qは11得点を稼ぎ出したデビン・ブッカーを中心にジェイ・クラウダーやディアンドレ・エイトンらが躍動したサンズが16点リードを奪う。

しかし、バックスも譲らずドリュー・ホリデーの連続得点などで盛り返し、第3Q終了時には逆に10点のリードを手にした。

そして最終Q終盤、クリス・ポールとブッカーの長距離砲などで3点差となると、直後にバックスは大事なフリースローをヤニス・アデトクンボが2本ともミス。

その後、ポールがレイアップを決め、残り1分切った地点で120対119と1点差となった。

しかし、この局面でサンズの勢いを断ち切るビッグプレーがバックスに生まれる。

逆転を狙いドライブを仕掛けるも阻まれたブッカーにホリデーが絶妙なタイミングで近づきスティール。

残り時間は約18秒。

様子を見つつフロントコートへボールを運ぶ中、猛スピードでリングに向かって走るヤニスの姿がホリデーの視界に入った。

ボールをキープして相手のファールゲームを待つ選択肢もあったが、ホリデーはロブパスを繰り出し、ヤニスの勝負を決定づける豪快なボースハンド・アリウープ。

そのまま勝利を手にすると、この一撃がシリーズの流れを引き寄せる。

本拠地で行われた第6戦も制し、実に50年ぶりとなるリーグ制覇を成し遂げたのだった。

ファイナルMVPに選ばれたのはヤニス・アデトクンボ。

とりわけ優勝を決めた第6戦はファイナル史上7人目の50得点に加え、14リバウンド、5ブロックのモンスタースタッツを叩き出した。

このシリーズは現地での注目度も高く、平均視聴者数は991万人と発表。

これはレイカーズとヒートが対戦した前年のファイナルから32%増だった。

特に第6戦は平均1252万人、最大1654万人の視聴者数を記録。

これは両チームが素晴らしい戦いを繰り広げたことはもちろん、前年に新型コロナウイルスのパンデミックにより、リーグが一時中断されるなど、NBAを楽しめるだけの日常が帰ってきたことを示しているとも言えるだろう。

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